垂直の壁を登る・・・ 類型:自然
  トカゲ岩(とかげいわ) 島根県隠岐の島町
1.謂われ、特徴、エピソード等
 隠岐世界ジオパークを代表する奇岩の一つで、この岩を含む周囲一帯は島根県の天然記念物及び名勝に指定されています。 形もさることながら、その岩石の材質も珍しい奇岩で、その岩石名をかつて『アノーソクレース響岩質粗面斑岩』と呼んでいました。 日本三奇岩の一つとも言われますが、出展は不明です。
 見た目は崖を垂直に登るトカゲのようで、頭から尻尾の先までで26mの長さがあります。また、尻尾の部分は崖とつながっており、トカゲと崖の間には岩が挟まっています。
 平成12(2000)年の鳥取県西部地震(M7.3)では、隠岐でも震度4の揺れを観測しました。 その時にトカゲと崖の間に挟まって前足のように見えていた岩がひとつ落ち、トカゲの体と岩山の間の割れ目が広がってしまいました。
 大変危険な行為ですが、地域の郷土誌(布施村誌)には、かつて島の高校教諭がトカゲ岩を登攀した時の記録と写真が掲載されています。
2.地形・地質の概要
 このトカゲ岩は、トカゲの登る崖とともに一つの粗面岩岩脈を形成しています。 島後の地質構造の中核となっている葛尾コールドロンと呼ばれる約540万年前の火山性陥没地質構造のちょうど中心に位置しており、トカゲ岩はその陥没内部を充填した流紋岩質火砕岩(葛尾層)の内部に形成された岩脈が、侵食風化作用によって露出したものです。
 岩石そのものの成分も珍しく、ナトリウムとカリウムを特に多く含むアルカリ岩であり、その割合(トータルアルカリ量)も日本で一番高いのではないかと言われています。 日本の火山岩の大部分が非アルカリ岩である一方、隠岐の火山岩類は約700万年前から最新の火山活動まで一貫してアルカリ岩ですが、そのような特異性の原因は明らかになっていません。 一説には、隠岐の地下に大陸由来の地質が存在するためとも言われています。
3.周辺のジオサイトや観光地
隠岐ユネスコ世界ジオパーク
 この奇岩は、隠岐世界ジオパークの「島後エリア」を構成するジオサイトの一つです。
 同じエリアのジオサイトには「代の火道」、「銚子ダムの隠岐片麻岩」、「よろい岩」、「かぶと岩」、「白島海岸」、「卯敷玄武岩」や「黒島のゼノリス」などがあります。
☆観光地
 乳房杉、オキサンショウウオ、隠岐杉、都万の生痕化石、などがあります。
☆観光コースの例
 
島後満喫トカゲ岩コース(西郷港、壇鏡の滝、乳房杉、トカゲ岩展望台、かぶら杉)など。
4.交通
☆公共交通
 西郷港からトカゲ岩が遠望できる展望所近くの駐車場(中谷林道終着)まで、車で約45分。 駐車場から展望所までは徒歩5分程度です。

トカゲ岩近景

中谷駐車場近くの展望所からのトカゲ岩
5. 奇岩の地図
地図と写真の操作方法はこちら  奇岩の位置についてはこちら
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