魔物に食べられた跡の 類型:自然
  高池の虫喰岩(たかいけのむしくいいわ) 和歌山県古座川町

虫喰岩の近景

虫喰岩の遠景

牡丹岩の近景
1.いわれ、特徴、エピソード等

 国指定の天然記念物である「高池の虫喰岩」は、蜂の巣状の模様や、いくつかの顔の表情のようにも見えます。

 穴のあいた小石に糸を通して願掛けをすると、耳の病気が治るとの言い伝えがあり、今でも願いのこもった小石が置いてあります。

 また、この付近には、「守り犬」の伝説があります。
 古座川弧状岩脈の東端(現在の太地町)にいた、岩が大好物の魔物が、東側の岩から次々食べていました。
 いよいよ一枚岩を食べようと噛みついた時、魔物が嫌いな犬が襲いかかってきたので、魔物は一目散に退散し、お陰で一枚岩とその上流の岩は食べられなかったという伝説です。

 一枚岩より東側に位置する高池の虫喰岩には、魔物に食べられた跡(タフォニ)が残っています。 

2.地形・地質の概要

 熊野カルデラの南縁の地下部分にあたる古座川弧状岩脈は、東西に約22km伸び、花崗斑岩や流紋岩質火砕岩からなります。

 高池の虫喰岩は、古座川弧状岩脈の一部で、流紋岩質火砕岩からなる岩体が風化し、タフォニを形成したものです。

 風化の原因は、表面から塩類を含む水が蒸発する過程で、石膏などの微結晶の成長によって岩盤表面が剥がれ落ちてくるからだと言われています。

3.周辺のジオサイトや観光地

南紀熊野ジオパーク
 この奇岩は、南紀熊野ジオパークの「南エリア(古座川町)」を構成するジオサイトの一つです。
 同じエリアのジオサイトには「河内島」、「宇津木石採石場跡」、「牡丹岩」、「古座川の一枚岩」や「嶽ノ森山」などがあります。

牡丹岩
 虫喰岩と同じ現象でできた岩ですが、こちらは牡丹の花に似ているところからこの名前が付けられました。 この岩には「ぼたん岩の主」という伝説が残されているそうです。

日本の地質百選
 この奇岩は 日本の地質百選(古座川弧状岩脈) に選定されています。

☆観光地
 古座川の潜水橋、真砂の舟着き場跡、佐本渓谷の古座街道、滝の拝や鳴石などがあります。

☆観光コースの例
 古座川町の観光ガイドはここにあります(ジオサイトの説明もあります)。

4.交通
☆公共交通
 鉄道:JR紀勢本線「古座駅」下車。 タクシーで約5分。

☆自動車
 
阪和自動車道の「南紀田辺IC」経由、国道42号を白浜・串本方面へ、古座川の手前を左折して県道38号へ、更に右折して県道228と県道227号で虫食い岩まで走行してください。

5. 奇岩の地図
左:牡丹岩        右:虫喰岩