玄武岩の名の由来 類型:自然
  玄武洞(げんぶどう) 兵庫県豊岡市
奇岩の写真

玄武洞の全景

玄武洞の近景

青龍洞の近景
1.いわれ,特徴,エピソード等

 国の天然記念物で「玄武岩」の名の由来であり,過去の地磁気逆転の発見につながったところです。

 文化4年(1807年),この地を訪れた江戸時代後期の儒学者・柴野栗山は,この洞の岩石が作り出す節理の形や断面の模様などから,中国の妖獣「玄武」を連想し,「玄武洞」と命名しました。

 玄武洞の右側にある小さな尾根を越したところには,「青龍洞」があります。 玄武洞のような洞窟は形成されていませんが,複雑な柱状節理の形状を観察することができます。

 注 玄武洞や青龍洞は自然のものでは無く,江戸時代の採石場の跡です。 

2.地形・地質の概要

 160万年前に起こった火山活動により,流れ出したマグマ(玄武岩)が冷えて固まる際に規則正しい六角形の割れ目を作り出しました。
 これを「柱状節理」と呼びます。

 岩石の正式名称は,第四紀更新世の「アルカリかんらん石玄武岩」です。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 新第三紀中新世の頃(約1500万年前),「玄武洞」を含む一帯は火山活動が活発だったと思われます。
 それが,1300万年以上も経ったときに,地下深くから「玄武岩」が沸き上がってきて,玄武洞などにみられる「柱状節理」を地表に形成したのです。
周辺のジオサイトや観光地

山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク
 この奇岩は,山陰海岸ジオパークの「玄武洞公園・赤石周辺エリア」を構成するジオサイトの一つです。
 周辺エリアのジオサイトには「円山川下流及び周辺水田のラムサール登録湿地周辺」,「城崎温泉」などがあります。

日本の地質百選
 この奇岩は,日本の地質百選(玄武洞)に選定されています。
 地形や地質に関する情報を掲載しています。
 柱状節理の写真も掲載されています。

☆観光地
 コウノトリの郷公園

☆観光コースの例
 山陰海岸ジオパーク散策モデルコース「城崎温泉コース

交通概況

☆鉄道
 JR山陰本線「豊岡駅」下車。 タクシーで約20分です。 土・日はバス有り。
 JR山陰本線「玄武洞駅」下車。 渡し船で約5分です(要確認)。

☆自動車
 北近畿豊岡自動車道(和田山八鹿道路)の「八鹿氷ノ山IC」経由,県道8号と国道312号で豊岡市街まで走行してください。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。