万病に効くといわれる霊水 類型:神仏
  御海(みうみ) 茨城県つくば市
奇岩の写真

御海の近景
1.いわれ,特徴,エピソード等

 約1,200年前,名僧徳一上人によって発見されたと伝えられています。

 親鸞上人が飢餓済度に用いられた霊水で,万病に効くといわれます。

2.地形・地質の概要

 筑波山ケーブルカー山頂駅から男体山頂の下を巡る自然探究路からやや低い位置にあります。
 湧水を伴う「斑れい岩」の露頭です。

 地下水の流量が増加した時に内部が浸食された結果,一時的に形成された空洞上部の岩塊が落下したり,変位を起こしたりして,できたと考えられています。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 「筑波山」は,西側の「男体山」と東側の「女体山」から構成される「双耳峰」です。
 山頂部は,いずれも中生代後期白亜紀(約7.5千万年前頃)に,地中深くでマグマがゆっくりと冷えて固化した「斑れい岩」で構成されています。
 その後隆起して地上に顕れましたが,斑れい岩の上にあった大地の全ては,侵食により無くなってしまいました。。
周辺のジオサイトや観光地

筑波山地域ジオパーク
 この奇岩は,2016年度に登録された筑波山地域ジオパークを構成するジオポイントの一つです。
 本ジオパーク内には,他に「大仏岩」,「屏風岩」,「北斗岩」,「裏面大黒」,「出船入船」,「高天原」,「弁慶七戻り」,「母の胎内くぐり」,「ガマ石」,「セキレイ石」,「立身石」と「吾国愛宕奇岩」の奇岩が登録されています。

☆筑波山
 筑波山は水郷筑波国定公園に指定され(1959年),その山頂部は男体山,女体山の二峰に分かれます。これらの山頂部からは,関東平野や霞ヶ浦などが広く眺望できます。
 また山麓の筑波山神社は,二峰から構成される筑波山の山体そのものを御神体とする,起源の古い神社です。
 山麓には梅林などが知られています。

☆観光コースの例
 (一社)筑波観光コンベンション協会「自然研究路」を参照してください。

交通概況

☆鉄道
 つくばエクスプレスの「つくば駅(つくばセンター)」下車。筑波山シャトルバスで「筑波山神社」行きに乗車。下車後,ケーブルカーの「宮脇駅」まで徒歩で10分。ケーブルカーは8分ほどで「筑波山頂駅」に到着します。
 男体山を巡る自然探究路は一周約60分のコースとなっており,立身石はその途中,御海はやや下方に位置します。
 なお,登山コース(御幸ヶ原コース)は,登りに約90分を要します。

☆バス
 「羽田空港」,「成田空港」や東京駅」から高速バスを利用して「つくば駅」で下車,以後は鉄道に同じです。
 注 「つくば駅」からは,筑波山シャトルバスで「つつじヶ丘」を経由し,ロープウエイで「女体山頂駅」まで乗車するルートもあります。

☆自動車
 常磐自動車道「土浦北IC」より,筑波山神社駐車場まで約40分です。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。