聖と俗を分ける石の門 類型:神仏
  弁慶七戻り(べんけいななもどり) 茨城県つくば市
奇岩の写真

弁慶七戻りの近景
いわれ,特徴,エピソード等

 古来から「石門」といわれ,聖と俗を分ける門と考えられていました。

 頭上の岩が今にも落ちそうで弁慶も七戻りしたといわれています。 

地形・地質の概要

 筑波山の女体山頂近くの「斑れい岩」の岩塊です。
 風化に強いので,角張った形になり,すき間に引っかかりました。

 斑レイ岩の風化抵抗性が高くても,節理沿いに風化が進むと,出船入船のように内部の岩塊が抜け出てしまうことがあります。

 ここでは抜け出た岩塊の上部の岩塊も地震などで変位し,落下せず途中で引っかかったため,不安定性な岩塊のように見えます。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 「筑波山」は,西側の「男体山」と東側の「女体山」から構成される「双耳峰」です。
 山頂部は,いずれも中生代後期白亜紀(約7.5千万年前頃)に,地中深くでマグマがゆっくりと冷えて固化した「斑れい岩」で構成されています。
 その後隆起して地上に顕れましたが,斑れい岩の上にあった大地の全ては,侵食により無くなってしまいました。
周辺のジオサイトや観光地

筑波山地域ジオパーク
 この奇岩は,2016年度に登録された筑波山地域ジオパークを構成するジオポイントの一つです。
本ジオパーク内には,他に「大仏岩」,「屏風岩」,「北斗岩」,「裏面大黒」,「出船入船」,「高天原」,「母の胎内くぐり」,「ガマ石」,「セキレイ石」,「立身石」,「御海」と「吾国愛宕奇岩」の奇岩があります。

☆筑波山
 筑波山は水郷筑波国定公園に指定され(1959年),その山頂部は男体山,女体山の二峰に分かれます。これらの山頂部からは,関東平野や霞ヶ浦などが広く眺望できます。
 また山麓の筑波山神社は,二峰から構成される筑波山の山体そのものを御神体とする,起源の古い神社です。
 山麓には梅林などが知られています。

☆観光コースの例
 (一社)筑波観光コンベンション協会の「白雲橋コース」に紹介されています

交通概要

☆鉄道
 つくばエクスプレスの「つくば駅(つくばセンター)」下車。筑波山シャトルバスで「つつじヶ丘」行きに乗車。下車後,ロープウエイで「女体山頂」まで約6分。
 女体山頂から上記「白雲橋コース」を,おおよそ25分下山します。なお,つつじヶ丘からの登山の場合は,55分ほど掛かります。

☆バス
「羽田空港」,「成田空港」や東京駅」から高速バスを利用して「つくば駅」で下車,以後は鉄道に同じです。
 注 「つくば駅」からは,筑波山シャトルバスで「筑波山神社」を経由し,ケーブルカーで「筑波山頂駅」まで乗車するルートもあります。

☆自動車
 常磐自動車道「土浦北IC」より,つつじヶ丘駐車場まで約40分です。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。