謂われは「熊野の鳥居石」 類型:神仏
  出船入船(でふねいりふね) 茨城県つくば市
1.謂われ,特徴,エピソード等

 元来「熊野の鳥居石」と謂われ船玉神を祀ります。 石の姿が出船と入船とに並んでみえます

 写真中,左の岩の形は船の舳先,右の岩の形は船尾のようです

2.地形・地質の概要

 筑波山のうち女体山頂近くの「斑れい岩」で,節理面沿いに,風化が進んで岩塊の内部が抜け落ち,このような形状になったものです

 上方に乗るくさび状の岩塊は,摩擦力で支持されているように見えます。
 白っぽく見える岩塊の下方は,斑れい岩の仲間ではありますが,白色の長石が集まった「斜長岩」といわれる岩石です。


出船入船の近景
3.奇岩近傍の三次元地形イメージ

「筑波山」は,西側の「男体山」と東側の「女体山」から構成される「双耳峰」です。
山頂部は,いずれも中生代後期白亜紀(約7.5千万年前頃)に,地中深くでマグマがゆっくりと冷えて固化した「斑れい岩」で構成されています。
その後隆起して地上に顕れましたが,斑れい岩の上にあった大地の全ては,侵食により無くなってしまいました。
4.周辺のジオサイトや観光地

筑波山地域ジオパーク
  この奇岩は,2016年度に登録された筑波山地域ジオパークを構成するジオポイントの一つです。
  本ジオパーク内には,他に「大仏岩」,「屏風岩」,「北斗岩」,「裏面大黒」,「高天原」,「弁慶七戻り」,「母の胎内くぐり」,「ガマ石」,「セキレイ石」,「立身石」,「御海」と「吾国愛宕奇岩」の奇岩があります。

☆筑波山
 筑波山は水郷筑波国定公園に指定され(1959年),その山頂部は男体山,女体山の二峰に分かれます。
 これらの山頂部からは,関東平野や霞ヶ浦などが広く眺望できます。
 また山麓の筑波山神社は,二峰から構成される筑波山の山体そのものを御神体とする,起源の古い神社です。山麓には梅林などが知られています。

☆観光コース例
  (一社)筑波観光コンベンション協会の「白雲橋コース」に紹介されています。

5.交通(公開時の情報)
  • 鉄 道: つくばエクスプレスの「つくば駅(つくばセンター)」下車。筑波山シャトルバスで「つつじヶ丘」行きに乗車。
      下車後,ロープウエイで「女体山頂」まで約6分。女体山頂から上記「白雲橋コース」を,おおよそ25分下山します。
      なお,つつじヶ丘からの登山の場合は,55分ほど掛かります。
  • バ ス: 「羽田空港」,「成田空港」や東京駅」から高速バスを利用して「つくば駅」で下車,以後は鉄道に同じです。
      注 「つくば駅」からは,筑波山シャトルバスで「筑波山神社」を経由し,ケーブルカーで「筑波山頂駅」まで乗車するルートもあります。
  • 自動車: 常磐自動車道「土浦北IC」より,つつじヶ丘駐車場まで約40分です。
6.引用情報,お断りなど
 

【引用情報】
 ・国土地理院 > 地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)  国土地理院利用規約

【お断り】
 ・奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。地形図については,地図検索のページをご覧ください。

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