兵庫県:玄武洞
 (日本の地質百選:玄武洞)
地形と地質の三次元イメージ : 円山川下流部
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

新第三紀中新世の頃(約1500万年前),「玄武洞」を含む一帯は火山活動が活発だったと思われます。
それが,1300万年以上も経ったときに,地下深くから「玄武岩」が沸き上がってきて,玄武洞などにみられる「柱状節理」を地表に形成したのです。
投稿者による写真の説明や記事など

【投稿者:岩松 暉氏】

 玄武洞は元々古い採石場跡だったそうですが,江戸時代に伝説の動物玄武にちなんで玄武洞と名付けられました。
 岩石は,約160万年前のアルカリかんらん石玄武岩溶岩で,層厚は100mほどあります。
 1884年,小藤文次郎がbasaltを玄武洞にちなんで玄武岩と訳しました。

 1929年には,松山基範がこの玄武洞溶岩から世界に先駆けて地磁気の逆転を発見し,「松山逆磁極期」と呼ばれています。

 玄武と名付けられたのは,柱状節理が発達していて岩石が亀の甲羅のように,六角(実際は5角~8角形)柱状に割れるからです。
 下の方は同時に板状節理も発達しているため,ちょうど庭の飛び石のような「六角石」「灘石(なだいし)」が見られます。
 恐らくこれを採石していたのでしょう。

【補足露頭写真】 玄武洞と青龍洞

右の洞穴は「六角石」を採掘していた坑道跡です。 ブロックを積みあげたように見える「板状節理」が視認できます。
おびただしい落石がありますが,どの程度の頻度で発生するか,気になるところではあります。

「青龍洞」は,柱状節理の形状が複雑すぎるのか,採掘されたようには見えません。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】
 ・「玄武洞」という名称から,「玄武岩」という岩石名が生まれた場所です。
 ・世界で初めて「地磁気の逆転」を発見するきっかけとなった岩石です。

【引用情報】
 ・国土地理院 > 地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)  国土地理院利用規約
 ・産業技術総合研究所・地質調査総合センター > 20万分の1 シームレス地質図

【お断り】
 ・本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質百選:玄武洞」と「日本の地質案内:玄武洞」を統合したものです。