長崎県:雲仙火山の火山地形(平成新山と大規模火砕流)
        (日本の地質百選:雲仙岳)
地形の特徴

火山地形,噴火,火砕流,火山砕屑流,溶岩流

地形と地質の三次元イメージ:
三次元地形図上でマウスクリックすると「2.5万分の1 雲仙火山地質図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

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  • 島原半島のほぼ中心に陣取る「雲仙火山」は,約50万年前の「古期雲仙火山」の活動がとば口でした。
    その総合的な噴出物(U)は,火山地質図の主として西側に分布するほか,眉山火山の基部や普賢岳火山~眉山火山の中間点にも,円丘状に存在します。
  • 約10万年前になると「野岳」を中心とする野岳火山が活動を開始し,数万年間は継続したと考えられています。
  • 約3万年前頃,「妙見岳」を中心とする妙見岳火山へと活動が移動しました。 
    万年間程度の活動の終了期に,火山の東側が「山体崩壊」を起こしましたが,その名残である「岩屑なだれ堆積物」は確認できていないそうです。
  • 複数の溶岩ドームから構成される「普賢岳火山」の活動は概ね2万年前(更新世後期)と推定されています。
    有史になってからの活動は,1663年と特定されている「古焼溶岩:Hf」から1991年の「平成新山・溶岩ドーム」と「同・火砕流」まで,間歇的に継続しています。
  • 一方,「眉山火山:七面山,天狗山」の溶岩ドームもほぼ同時期の更新世後期と推定されています。
地形と地質の三次元イメージ : 1991年6月3日発生の大規模火砕流(Hp)
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  • 1990年11月17日,後に平成新山となる場所2箇所(地獄跡火口と九十九島火口)で水蒸気爆発が発生し,1週間ほど継続しました。
  • 1991年2月12日,後に平成新山となる場所(屏風岩火口)に新しい火口が生じ,「マグマ水蒸気爆発」が発生しました。
    その後,地獄跡火口からの噴火も確認されました。
  • 1991年5月20日,地獄跡火口内に溶岩の存在が確認されました。
    溶岩は日増しに成長を遂げ,5月24日には一部が崩壊し始めました。崩落の過程で粉砕された溶岩は火砕流となって斜面を下りました。
  • 1991年6月3日,溶岩ドームの東側と既存の山体の一部が一緒になって崩壊し,大規模な火砕流が発生しました。
    「火砕流:Hp」は三方向に分かれて斜面を雪崩れましたが,貝野岳と岩上山との中間を通り抜けた火砕流は,「北上木場地区」で監視などをしていた多くの人を呑み込み,死者・行方不明者43名を数える大災害となったのです。
  • 火砕流の痕跡は「(1991-95噴出物・火砕流堆積物・崖錐堆積物:Hp)」として,火山地質図で確認することができます。

噴火のはじまる前1974年頃の空中写真と最新のそれとを比較すると,水田だったと思われる場所が砂防用地に変換されていることがわかります。
地形と地質の三次元イメージ : 平成新山の北東斜面
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  • 1991年6月3日に発生した平成新山由来の「火砕流:Hp」は3つに分れて流れ下りましたが,北東に分かれた火砕流は1792年に噴出した「新焼溶岩:Hs」の末端よりも下流側にまで達しました。
  • 「島原大変肥後迷惑」と言われた眉山火山の異変は,1792年5月に「天狗山:Yt」の東斜面で発生した極めて大規模な「山体崩壊」と,それによって誘発した膨大な岩屑量の「岩屑なだれ:Hm」の発生です。
  • しかし一連の異変の中で最も甚大な災害は, 岩屑なだれが島原湾に流入したことで大きな津波が発生して,対岸の肥後国(熊本県)に押し寄せたことによって生じた津波災害でした。 記録では,死者数が15,000人にも及んだとされています。
  • 眉山・天狗山が崩壊することで生じた岩屑なだれは,島原湾に「九十九島」という流れ山群を形成しました。
    時とともに,海の侵食で削られ海中に没してしまった島も相当数あるのでは,と思われます。
地形と地質の三次元イメージ:
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  • 更新世の後期頃,「妙見岳火山」の崩壊地の中に「普賢岳山頂溶岩:Fg」,「風穴溶岩:Fz」と「島ノ峰溶岩:Fs」という3つの「溶岩ドーム(円頂丘)」が成長しました。
  • 1991年に活動を開始した平成新山は,4つめの溶岩ドーム(円頂丘)であると考えられています。
  • 普賢岳より高さが約120m高く,火砕流を含めた噴出量は普賢岳など,他の溶岩ドームのどれよりも多かったと考えられます。
地形と地質の三次元イメージ : 西側からの雲仙火山
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  • 一番手前にそびえる半円形の山々は,妙見岳,国見岳に江丸岳などから構成される「妙見火山群」です。
  • 先述のように,活動の末期に火山の東側が「山体崩壊」を起こしましたが,その名残である「岩屑なだれ堆積物」は確認できていないそうです。
【引用情報・参考情報】

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【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質百選」を基にして,事務局が「三次元地形図」,「三次元地質図」や若干の記事などを追加してリニューアルしたものです。
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