大分県:九重火山(くじゅう連山)の火山地形
地形の特徴

火山地形,火口,溶岩円頂丘(溶岩ドーム),溶岩流,火砕流(火山砕屑流),岩屑なだれ

地形と地質の三次元イメージ:九重火山(くじゅう連山)の全景
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  • 阿蘇火山の東に位置する「九重火山」は,大小20あまりの火山からなる「火山群」です。
  • 地質図を参照して,それらを活動した年代で区分すると,以下のようにまとめられます。
  • 中岳(E:1791m)や久住山(C:1787m)など西側の山群は, 第四紀の後期更新世(約2万年前頃)に活動した火山群です。
  • 大船山(たいせんざん:I,1615m)や黒岳(1587m)の高塚山(K)など東側の山群は,上記より新しく第四紀の完新世(約6千年前頃)に活動しました。
  • ただし例外もあって,西側山群の星生山(ほっしょうざん:B,1762m)の東斜面では現在も噴気活動が続いており,1995年と1996年に火山灰を伴う噴火が起きました。
地形と地質の三次元イメージ:久住山など古い年代の火山群
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  • 第四紀・後期更新世に活動した火山群です。 資料によると,各火山は「成層火山」と「溶岩円頂丘(ドーム)」から構成されています。
  • 中岳の西側などに存在する数個の凹地は「火口」です。 その内の1箇所は,火口に水が溜った「火口湖」となっています。
  • 「佐渡窪」は,周辺の火山から押し寄せた「溶岩流」や「火砕流」などによって川の出口を堰き止められた「堰止湖」が,湿原へと変化したものです。
  • 地質図に記載した赤矢印は,1995年10月に発生した噴火場所の概略位置です。
    周囲は,後期更新世に活動を終えた火山ばかりなのですが,ここだけが活動中です。
地形と地質の三次元イメージ:大船山など新しい年代の火山群
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  • 大船山(たいせんざん:I)や黒岳:高塚山(たかつかやま:K)は,活動停止してから1650年程しか時間が経過していません。
    従って,火口から流出した「溶岩流」等は,殆ど侵食や開析を受けていない状態で,その特徴が地形図に顕れています。
    比較的粘性の高い溶岩流のようで,溶岩流の上面は凸凹しており,また「溶岩流末端崖」も随所に存在しています。
  • 高塚山(K)と前山(L)の山頂は,いずれも最も新しい溶岩による「溶岩円頂丘(ドーム)」です。
地形と地質の三次元イメージ:三俣山など北面の火山群
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  • 北側の「長者原」付近の上空から見た,という地形の三次元イメージです。
  • 「山の歌」と言えば「坊ガツル賛歌」の時代がありました。
    その舞台となった坊ガツル(G)は,平治岳溶岩(Hk)と湯沢山溶岩(My)によってできた「堰止湖」が湿地化した凹地(窪地)です。
現場写真 : 星生山東北尾根の噴気状況(1980年当時)
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星生山から三俣山にかけての火山群は,以下を除いて,後期更新世の終わりまでに終息してしまいました。 その場所は,
星生山の東北尾根では現在も噴気活動が続いています。 また,東斜面では1995年10月に小規模ながら噴火も起きました。
九重火山(くじゅう連山)で唯一,火山活動が継続している場所がここなのです。
注 噴気活動は,次第に弱まっているとの情報があります。
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