新潟県・福島県:浅草岳と八十里越の巨大地すべり地
地形の特徴

・地すべり地形,馬蹄形,陥没状地すべり,滑落崖,移動体,二次すべり,凹地,湖沼

地形と地質の三次元イメージ(産総研・1/20万 シームレス地質図)
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「八十里越」は,新潟県の三条市から同県魚沼市を経由して福島県の只見町に至る古街道です。
現在は国道289号に指定されていますが,地すべり地帯のため通行が禁止され,別ルートが工事中です。
鋭い尾根のあるところ以外は,殆ど「地すべり地」であると言っても過言ではありません。

(国研)防災科学技術研究所(防災科研)の「地すべり地形分布図」によると,「八十里越」に影響を与える「地すべり地」は圧倒的に新潟県側にあります。
詳しい情報や凡例については,ここへアクセスしてください
地すべり地形の三次元イメージ(1) : 只見町,沼の平付近
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「猿崖」と名付けられた崖を含む,山頂直下の急崖は「馬蹄形」をしています。 これは,表面近くに存在した地盤が全て滑り落ちた結果,形成された地形です。
滑り落ちた地盤のことを「移動体」と呼びます。 移動体の表面は,必ずと言ってよいくらい凸凹になっています。
この凹地に,天水や湧水が溜ると池や沼になり,「沼の平」では,大小8箇所ほどの池などが存在します。
また,沢を挟んだ対岸の尾根の上にも,1箇所の凹地と1箇所の池が存在しています。
資料によると基盤岩はグリーンタフで,移動体の元となった地質は浅草岳由来の安山岩類と思われます。
地すべり地形の三次元イメージ(2) : 魚沼市,浅草岳北斜面
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「浅草岳」の北西斜面は,全て「地すべり地形」と言えます。
しかし,山頂直下の斜面には,明瞭な「滑落崖」が確認できません。 また,地すべり移動体には「白崩沢」など多くの川が侵食しています。
これらのことから,地すべりの発生は,地質年代的にかなり昔のことで,最近では安定しているように思えます。
注 浅草岳が活動した時期は,新生代第四紀更新世(約150万年前頃)と言われており,地すべりの発生もそれに近かった可能性があります。
地すべり地形の三次元イメージ(3) : 魚沼市,八十里越~鞍掛峠間,田代池付近
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「八十里越」~「鞍掛峠」の間を通る国道289号は,昔の八十里越街道に重なるのですが,この区間全てが「地すべり地」です。
「田代平」の湿地帯は,背後の尾根の前面が全て滑り落ちて「移動体」となり,偶然にできた凹地に水が溜ったものです。
この地すべり移動体は,よほど大きな体積を持っていたようで,田代平の直下に「二次すべり」が発生しています。
恐らく,移動体によって「破間川(あぶるまがわ)」は堰き止められ,いわゆる「天然ダム(土砂ダム)」が形成されたことでしょう。
国道が289号が,この地を避けて別ルートで建設されていることから,道路を建設できるほどには安定していない,と思われます。
地すべり地形の三次元イメージ(4) : 三条市,鞍掛峠北斜面,栃中瀬沢流域
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「鞍掛峠」の北側に広がる「地すべり地帯」は,浅草岳北西斜面に匹敵するほど,広大な広がりを見せています。
更に,鞍掛峠とその周辺の斜面には,明瞭な「滑落崖」が広がっています。
「田代平」と同様,R289がこの地を避けて建設されていることから,これらの「移動体」は安定していないのでしょう。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 「八十里越」という名称は,徒歩で移動するしかなかった時代に,八里の峠道が地すべりによる険阻な状態のため,10倍の八十里を歩くほどの苦労が必要,と言う意味で名づけられました(諸説あるそうです)。

【引用情報】

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