北海道:歯舞群島・色丹島(北方領土)
地形の特徴

リアス海岸,海成段丘(海岸段丘),火山島,海食崖,湿地帯

案内用三次元イメージ : 歯舞群島・色丹島

「歯舞群島」とは,「萌茂尻島」,「水晶島」,「秋勇留島」,「勇留島」,「ハルカモシリ島」,「志発島」と「多楽島」及び周辺の岩礁のことです。
いずれも,標高が40m以下の「海成段丘(海岸段丘)」が発達し,その間に低湿地が広がっています。
一方,「色丹島」には標高が400mを超える山が存在し,海成段丘も発達していないなど,歯舞群島とは地形が全く異なっているのが最大の特徴です。
地形の三次元イメージ : 歯舞群島

「歯舞群島」の中で,最も根室半島に近い場所にある島々です。
「水晶島」には,標高約17m~約18mという海成段丘(海岸段丘)が発達しているため,島は「ほぼ真っ平ら」である,という特徴があります。
なお,島の最高点は約24mの丘です。 これはいわゆる「残丘」であろう,と想像されます。
産総研の1/20万シームレス地質図によると,中生代後期白亜紀の海成砂岩が卓越し,部分的に同時期の玄武岩が点在しています。

(左)秋勇留島(あきゆり島)。 (右)ハルカモシリ島。
両島とも,根室半島~歯舞群島~色丹島列線の,最も右側(南東側)に位置しています。
両島とも,標高約35m~約40mの海成段丘(海岸段丘)が発達している関係で,両島の周囲は殆どが「海食崖」となっています。
産総研の1/20万シームレス地質図によると,新生代古第三紀以後の安山岩(質)の溶岩・火砕岩で構成されています。

勇留島(ゆり島) : 根室半島~歯舞群島~色丹島列線の,右側(南東側)に位置しています。
島の大半は標高約35m~約40mの海成段丘(海岸段丘)で構成されており,島の周囲はほぼ全て「海食崖」となっています。
一方,段丘を切る侵食谷の多くは「低湿地帯」と化しています。
産総研の1/20万シームレス地質図によると,新生代古第三紀以後の安山岩(質)の溶岩・火砕岩で構成されています。

志発島(しぼつ島) : 島の東側は標高約25mの(仮)中位段丘面が広がっていて,海岸は「海食棚」となっています。
一方,島の西側は全般的に標高が低く,広大な湿地帯が面積の大半を占めています。
産総研の1/20万シームレス地質図によると,中生代後期白亜紀の海成砂岩が卓越し,部分的に同時期の玄武岩が点在しています。

多楽島(たらく島): 歯舞群島最北端の島です。
島の東側の大半には,標高約17mの(仮)中位段丘面が広がっています。 一方,西側には「砂州,」「ラグーン」やそれ由来と思われる湿地が分布しています。
産総研の1/20万シームレス地質図によると,中生代後期白亜紀の海成砂岩と,同時期の玄武岩が層状に分布しています。
地上写真:野沙布岬灯台からの歯舞群島(南西部)

「歯舞群島」が,いかに真っ平らな土地であるかが,よくわかります。
故障のせいか,何年も点灯しない「貝殻島灯台」の向こうに「志発島」が霞んでいましたが,このサイズでは認識できません。
「勇留島」の右端に「ハルカモシリ島」が霞んでいます。 「萌茂尻島」までの距離は約4km,貝殻島灯台まではわずか2kmです。
地形の三次元イメージ:色丹島

「根室半島」や「歯舞群島」に比べて,山がちの地形を呈しています。 また,南東側の海岸線は典型的な「リアス海岸」の特徴を有しています。
島の北西海岸に近い部分は,主として中生代後期白亜紀の玄武岩が優勢であって,南東海岸から島の中央にかけては,
新生代古第三紀以後の安山岩(質)の溶岩・火砕岩,及び同時期の斑レイ岩が分布しています。

標高413mの「斜古丹山」は,新生代古第三紀以後の安山岩(質)の溶岩・火砕岩,すなわち火山です。
以前では「死火山」に分類されていたかもしれません。 また,「斜古丹港」のある丸い穴は,爆裂火口であるかもしれません。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 「根室半島」~「歯舞群島」~「色丹島」へと続く列線の中で,東側に位置する「勇留島」などは,約37m~約40mという高位の海成段丘面が発達しています。 一方,西側に位置する「水晶島」などは,約10mという低位の段丘面が分布しています。
  • 歯舞群島は沈降性の大地で,尾根の頂上部が海の上に顔を出している,と言う説があります。これが事実なら,列線の東側よりも西側の方が低い「傾動山地」であると言えるでしょう。
  • 古根室半島の最先端が「色丹島」で,構成する地質も根室半島とほぼ同じです。 しかし,根室半島と歯舞群島と決定的に違うのは,色丹島には多くの山が存在することです。
  • 海成段丘と化しほぼ真っ平らである歯舞群島と比べると,堂々たる山脈が存在する,といっても過言ではないでしょう。
  • 国土地理院の地図タイルによると,歯舞群島と色丹島を通して,人家のある場所は色丹島の「斜古丹」と「アナマ」だけのようです。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】