北海道:トムラウシ火山と高層湿原群
地形の特徴

火山地形,地すべり地形,高層湿原,池塘,大雪山山系,日本百名山

地形と地質の三次元イメージ : トムラウシ火山群
三次元地形図上でマウスクリックすると「5万分の1 地質図幅『旭岳』(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

5万分の1 地質図幅『旭岳』 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 「大雪山山系」のほぼ中央に位置する「トムラウシ山(火山)」は,登山口から遠いので最も山深い場所にある山,として有名です。
  • 単独峰ではなく,五色ヶ原火山,沼ノ原(黄金ヶ原)火山,トムラウシ火山,二股火山やカウンナイ火山から構成される「複合火山」です。
  • トムラウシ火山群の特徴は,かつては広大な「溶岩台地」が広がっていたことと,その溶岩台地が侵食されてできた急峻な崖が存在することです。
  • 今でも,溶岩台地には「高層湿原」や「池塘」が随所に分布しています。
    前者を代表する広大な湿原は「黄金ヶ原」や「沼ノ原」で,後者を代表する大きな池塘は「大沼」や「ヒサゴ沼」などです。
  • 5万分の1地質図幅『旭川』には,「三川台」の直下「ユウトムラウシ川」の源流部には,「氷堆石(モレーン)」の表記があります。
    従って,地質図ではユウトムラウシ川の源頭は氷食地形の「カール」と評価されたのですが,「地すべり地形」である,という情報も存在します(例,上川支庁産業振興部,H21)。
地形と地質の三次元イメージ : トムラウシ火山
三次元地形図上でマウスクリックすると「5万分の1 地質図幅『旭岳』(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

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  • 「トムラウシ火山」の主な活動時期は以下のように推測されています。
  1. 新第三紀 鮮新世(約300万年前):トムラウシ溶結凝灰岩(Tw/Ts)の噴出。 以後,長い休眠に入りました。
  2. 第四期 後期期更新世(約30万年前頃):トムラウシ第1溶岩と同第2溶岩を噴出しました。同時に,多くの「溶岩円頂丘」も形成されたようです。
  3. 第四期 後期更新世~完新世(約1万年前頃): トムラウシ第3溶岩を噴出しました。 同時期には「前トムラウシ山」も噴火しました。
  • トムラウシ山の山頂付近には「北沼」を始めとする数箇所の池塘があります。 周囲の地形から,これらは火口湖の類ではなく「火山堰止湖」と思われます。
  • 5万分の1地質図幅『旭岳』の説明書によると,トムラウシ山の北東斜面と南西斜面は「カール」であるとの指摘がありますが,その後に公開された情報を参照すると,カールと断定するには難しいかもしれません(上川支庁産業振興部,H21)。
地形の三次元イメージ : 黄金ヶ原
  • 「黄金原」は,「黄金ヶ原溶岩」に広く覆われた緩傾斜の尾根で,その上には多くの池塘が存在すると共に,クワウンナイ川沿いの尾根には湿地帯が広がっています。恐らく「高層湿原」と思われます。
  • 「三川台」の南西に,緩くカーブする谷が存在します。 谷を挟んだ場所の表層地質は全て「黄金ヶ原溶岩」なので,偶然の賜物なのかもしれません。
  • 前述のように,地質図幅『旭川』では黄金原の一角にある「三川台」の直下,ユウトムラウシ川の源頭は「モレーン」と表記されていますが,これを否定するような情報も発表されています。
地形の三次元イメージ : 沼ノ原
  • 「化雲岳火山」から噴出した大量の「化雲岳溶岩(Q;)」が形成した緩傾斜の尾根や斜面の上には,数多くの湿地帯が分布しています。
  • 五色岳の火山台地の一段下にも「沼ノ原溶岩(Nl)」が形成した台地が広がり,その上には湿地帯「沼ノ原」と「大沼」が存在します。 年代的に
  • これらの火山台地に対して多くの河川は激しく侵食した結果,断崖絶壁の谷頭を持つ深い谷が形成されました。
  • このまま侵食が続けは,地質的年代でそう遠くない時までに 火山台地は消えてなくなってしまう でしょう。
トムラウシ山
  • トムラウシ山への登山は,従来は標高645mの「トムラウシ温泉」からのコースが最も短時間でしたが,「短縮コース」が開発されたおかげで標高差約300mを歩かなくて済むようになりました。
  • 短縮コースと言っても,登りが8時間弱,下りが5時間強なので,決して楽な登山ではありません。山親父も徘徊しているでしょうし。
【現場写真】

旭岳・姿見の池展望台からの遠望です。手前のなだらかな山稜は,小化雲岳(1924m)~1947m峰の北面に拡がる尾根です。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】