沖縄県:鍾乳洞に吸い込まれる雄樋川(前川ガンガラー)
地形の特徴

石灰岩台地,鍾乳洞,陥没,侵食,峡谷

地形と地質の三次元イメージ : 南城市~八重瀬町
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

八重瀬町港川の近くを流れている「雄樋川」は,南城市との境界でもあります。
雄樋川の一部は断崖絶壁の「峡谷」となっており,その流路には「前川ガンガラー」と呼ばれる鍾乳洞があるのです。
この付近の主たる地質は,「更新世,ジエラシアン期~チバニアン期」に,浅海のサンゴ礁などが岩石化した「琉球石灰岩」です。
港川漁港に近い低地帯は,それよりも年代的に新しい「琉球石灰岩」が分布しています。
地形の三次元イメージ : 前川ガンガラー付近の雄樋川(ゆうひがわ)

「雄樋川」の上には道路が通っています。 地図記号をよく見ると,川の記号が途中で消えていることに気づきます。
すなわち,この部分が「暗渠」になっていることを示しているのです。
問題はこの暗渠なのです。 実は,人工的な隧道ではなく,自然の「鍾乳洞】なのです。
【地形断面図】 前川ガンガラー近くの雄樋川

国土地理院の5mDEMを利用して,雄樋川の河床と思われる場所の標高を推測してみました。
道路部分を含む約100mの区間が,暗渠(実は鍾乳洞)であることがわかります。
なお,川の記号に沿って標高を推定しましたが,川岸と思しき値が得られている部分があります。
【地上写真】 前川ガンガラー

鍾乳洞(前川ガンガラー)に突入?する「雄樋川」の川水。 折からの豪雨で,随分と水嵩が増しています。
このような濁流が,鍾乳洞を拡幅したことでしよう。

「雄樋川」の河床から見上げると,そこは深山幽谷の趣がありました。 しかし,台地の上には人工構築物や耕地整理された畑などが広がっています。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 諸説を総合すると,以下のようなストーリーが組み立てられそうです。
    ① 前川ガンガラー付近の「雄樋川」は,かつては全てが「鍾乳洞」の中を流れる地底の川でした。
    ② 豪雨時の水量増加に伴う侵食により,前川ガンガラーより上流部と下流部の天井(天盤)がそれぞれ陥没し,峡谷となりました。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】