北海道:七ツ沼カール群(幌尻岳,戸蔦別岳)
    (日本の地質百選:幌尻岳と七ツ沼カール)
地形の特徴

氷河地形,モレーン,池塘(沼),日本百名山

地形と地質の三次元イメージ :
三次元地形図上でマウスクリックすると「5万分の1 地質図幅『幌尻岳』(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

5万分の1 地質図幅『幌尻岳』の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 「幌尻岳(ポロシリ,2052m)」と「戸蔦別岳(トッタベツ,1959m)」には,「 七つ沼カール」,「北カール」や「東カール」など,最大9箇所のカールの存在が報告されています[澤柿 教伸他(2012)]。
  • これらのカールの多くは,古第三紀~新第三紀にかけて形成された「変成岩」や「火成岩類」で構成される脊梁山脈に存在しています。
    なお,5万分の1 地質図幅『幌尻岳』の場合,年代が書かれていない地質名称が多いために,20万分の1シームレス地質図を参照しました。
  • 「七ツ沼・本カール(A)」は南東向き斜面の源頭部に存在しますが,その他のカールは概ね北東向き斜面の源頭部に存在します。
    共通項は,「季節風の風下側」となるようです。
  • なお,図に記入したカールの名称は,「澤柿 教伸他(2012)」に準拠しました。
地形の三次元イメージ :七ッ沼カール,ポロシリ東カール
  • 「七ッ沼カール」は,7か所以上の池塘が存在する「本カール(A)」と,すぐ隣にある小さな「副カール(B)」から構成されています。
  • 5万分の1地質図幅『幌尻岳』によると,七ツ沼は「氷堆積物(モレーン)」上に存在します。 従っ,これらは小さな「氷河湖」の集まりでしょう。
  • 「澤柿他(2012)」は,「七ツ沼カール」での堆積物は全て「トッタベツ亜氷期(約2万年前頃,最終氷期の一部)」以降の形成と,報告しています。
  • 一方,「ポロシリ東カール」は,連続した3つのカール(C,D,E)から構成されています。
  • 「澤柿他(2012)」に記載されている「Fig.1」では,「ボロシリ東カール(D)」の「モレーン」が最も大きく分布しているようです。
地形の三次元イメージ :ポロシリ北カール
  • 「ポロシリ北カール」には,1箇所の小さい池塘と「モレーン」が存在します。
  • 2021年5月時点の地理院タイルには,池塘が3箇所描かれていましたが,2023年6月時点では,これらはすべて消滅し,新たに小さな池塘(矢印)が1箇所記載されています。
  • 実際はどうであったかを調べるために,下図のように1975年頃に撮影された空中写真と最新の空中写真を比較してみました。
  • その結果,どうやら2021年当時の地形図が間違っていたようです。

通常と異なって,180°回転してあります。 理由は,尾根と谷筋を正しく認識できるようにするためです。
地形の三次元イメージ : トツタベツカール
  • 戸蔦別岳の北東斜面に,「澤柿ほか(2012)」によって命名された「トッタベツAカール(G)」~「トッタベツCカール(I)」が存在します。
  • トッタベツカールに分布するモレーンの範囲は,他のカールよりも相対的に狭いようです。
  • (I)のカールは特に狭く,谷の侵食によってモレーンを構成する堆積物が下流に運び去られてしまったのかもしれません。
幌尻岳
  • 深田 久弥は,当時工事中だった奥新冠ダム(幌尻湖)から「新冠川」を遡上し,「七ツ沼カール」を経て[幌尻岳」に登頂しました。
  • しかし,現在このコースは使われていないようなので,「ポロシリ山荘」と「幌尻沢」を経由するルートを表示しました。
  • 諸資料を総合すると,ポロシリ山荘から幌尻岳までは3.5時間ほどかかるようです。
  • ただし,新冠市街地からポロシリ山荘まで,7時間近くの林道歩きがあるので,結局最低でも2伯3日は必要,との情報が公開されています。
【記事・引用情報と参考情報】

【引用情報】

  • 「七ッ沼カール」は「幌尻岳(ポロシリ,2052m)」ではなく,「戸蔦別岳(トッタベツ,1959m)」の南斜面にあります。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】