北海道:屈斜路カルデラとアトサヌプリ火山群
地形の特徴

火山地形,二重カルデラ,カルデラ湖,後カルデラ,溶岩円頂丘

地形と地質の三次元イメージ(産総研・1/20万 シームレス地質図)
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

「屈斜路カルデラ」は,東西25km強,南北約20kmと,日本で最大のカルデラです。
西側の「サマッカリヌプリ(974m)」,北側の「藻琴山(1000m)」や東側の「摩周カルデラ」など,大半の外輪山は視認できますが,
釧路川が流れ出ている南東側の一角は,侵食の為でしょうか,わかりづらくなっています。
カルデラの中には,凍結する日本最大の「屈斜路湖(カルデラ湖)」と,中央火口丘に相当する「アトサヌプリ火山群」があり,
後者は,現在でも活発な噴気活動が見られるなど,活火山(常時観測火山)の指定を受けています。
地形の三次元イメージ : アトサヌプリ火山

中央火口丘に相当する「アトサヌプリ火山群」です。 その中にも小さな「カルデラ」ができているので,全体的には「二重カルデラ」となります。
アトサヌプリカルデラの周囲には,デイサイト質の「溶岩円頂丘(溶岩ドーム)」が10個存在しますが,概ね南の方が古いようです。
現在も噴気を出し続けている火山は「アトサヌプリ(508m)」です。 また山頂の縁には「熊落とし」という名の火口が開いています

溶岩が流れた様子が最もよくわかるのが,「湯沼」のほとりにある「リシリ溶岩円頂丘」です。
釧路川が流れ出ている南東方向には,屈斜路カルデラの外輪山(カルデラ壁)が存在しません。 弟子屈市街地は,カルデラの外になります。
【現場写真】 屈斜路カルデラ

(上)美幌峠からの屈斜路カルデラ全景。20mmレンズを使用し,後に3枚を連結しました。
(中)美幌峠からの中ノ島とアトサヌプリ火山群。
(下)アトサヌプリ(硫黄山)の「熊落し噴火口」と「F-1噴気孔群」。 噴火口は川湯温泉駅で撮影しました。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 「屈斜路カルデラ」の形成は,約3.5万年前から約2.5万年前と言われています。
  • 二重カルデラの「アトサヌプリカルデラ」は,屈斜路カルデラの「後カルデラ活動」で,約2.0万年前の形成と言われています。
  • アトサヌプリカルデラの周囲では,約1.5万年前以降,デイサイト質の溶岩円頂丘が次々と噴出し,最終的に10個となりました。

【引用情報】

【参考情報】

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