沖縄県:辺野古崎沖のサンゴ礁と海底谷地形
地形の特徴

サンゴ礁,裾礁,海釜(海底谷),埋立地,普天間基地,キャンプ・シュワブ,楚久断層,辺野古断層

地形と地質の三次元イメージ(産総研・1/20万 シームレス地質図)
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

辺野古崎付近には,「琉球石灰岩」では無く,本州から延々と延びて来た「四万十帯」という,1億年前後の極めて古い地層が分布しています。
部分的には数千万年前の地層(島尻層群)も分布していますが,いずれも「泥岩」や「砂岩」と言った堆積岩です。
【空中写真】

那覇空港⇒羽田空港(このコースは,基地が完成するまででしょう。)
海域のうち「辺野古崎」から南(下)側は,大規模なサンゴ礁が形成されていて,水深が10m以下と言った浅い海となっています。
一方,辺野古崎から北の大浦湾側~大浦川河口付近までは,水深が70m近い「海底谷」が存在するなど,水深が深いためにサンゴは生育できません。
海底谷は「海釜」と呼ばれる凹地形となっていますが,これらの地形は「楚久断層」と「辺野古断層」の影響かもしれません。
地形の三次元イメージ : 辺野古崎のキャンプ・シュワブ埋め立て工事(2024年)

2024年4月末現在,国土地理院から公開されている空中写真では,辺野古崎の南側で行われていた埋め立て工事は完成したようです。
また,「辺野古崎」そのものの地形も,先端が延ばされているなど,かなり改変されているようです。
地形の三次元イメージ(推定図) : 大浦湾の海底谷地形(推定)
‼マウスオーバー‼    地図上にマウスを乗せてください。  国土地理院発行の「地理院タイル(出典,下記)」を表示します。

大浦湾の推定海底地形の三次元イメージ(推定)です(作成方法は下記参照)。

海底地形に関して,以下のような特徴があります

  • 「楚久断層」の延長上の海底に「海底リニアメントA」が存在します。
    このリニアメントは楚久断層による「断層崖」なのか,「(古)大浦川」による侵食地形なのか,よくわかりません(諸説あるようです)。
  • リニアメントAに接続する「海底リニアメントB」が存在します。「(古)辺野古美謝川」のようにも思えますが,河口の延長上とは調和していません。
  • 注 海底地形図は「原典②」から,事務局が独自に水深を読み取り,東京湾平均海面(T.P.)補正を行って標高値を推定したものです。
    正確ではない可能性があるので,参考図程度に留めてください。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 普天間基地の移転先として工事の進む「辺野古崎」の周囲には,豊富な珊瑚礁が分布しており,ジュゴンの来る海,としても有名でした。
  • 「大浦湾の海底谷地形」の作成方法の概略は以下の通りです。

注 (左)の陸域地形図は,5mDEMを利用して三次元可視化しました。
一方,(右)の海域地形図は,50mDEMを使用して三次元可視化したため,図面の細密度が大きく低下しています。
  • 陸域は,国土地理院から公開されている「5mDEMデータ」を入手し,独自に1/10のリサンプリングを行って「50mDEM」を作成しました。
  • 海域は,防衛省・沖縄防衛局から一般に公開されている「環境影響評価書(下記),pp.6-10-26.,図-6.10.1.10(2)」を使用して,独自に50mメッシュの水深データを求めました。 更に,東京湾平均海面(T.P.)補正を行って標高値を変換(推定計算)しました。
  • 元図はA3サイズ(?)の「等深線図」であり,更にコンターが密になっている場所も多いことから,メッシュ点の水深の読み取りには相当程度の誤差が含まれると思われます。
  • 従って,本イメージは参考図程度とお考え下さい。 なお,疑似海面は,標高を0.0mとしてあります。
  • 沖縄県中部の平均潮位(約1.2m)値を利用して,海底面の「50mDEM」を推定しました(防衛省から公開されている情報ではありません)。
  • 陸域と海域を統合しましたが,海岸線付近では整合性が取れない場所が散見され,このような場所では「0.0」を強制使用しています。
  • 50mDEMは,「Kashmir 3D」で三次元化しました。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページの趣旨は,「サンゴ礁と海釜の存在について」であって,基地建設の是非についてではありません。
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【現場写真】 アメリカ海兵隊の訓練状況

辺野古岬の南西にある浅瀬は,米海兵隊の上陸?訓練場です。    この軍用車両は,「LVTP5(水陸両用人員輸送装軌車)」です。