佐賀県・長崎県:多良岳火山の放射状谷
地形の特徴

火山地形,火山麓扇状地,放射状谷

地形と地質の三次元イメージ : 多良岳火山
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

佐賀県と長崎県にまたがる「多良岳火山」は,南北にやや長い楕円形を呈しています。
最高峰は「経ヶ岳(1076m)」で,「玄武岩溶岩」が流れた跡や「火山麓扇状地」に加え,「放射状谷」など,様々な「火山地形」が存在します。
活動の最盛期は,新生代第四紀更新世(カラブリアン期~チバニアン期)とされています。
地形の三次元イメージ : 多良岳火山の南西斜面(火山麓扇状地,放射状谷)

南西斜面の山麓には「放射状谷」が存在します。地質図では「火山麓扇状地」と表記されています。
恐らく, 「火山砕屑流」などで流されてきた土砂類によって「扇状地」が作られ,次いで豪雨による「下刻侵食」で「放射谷」が作られたのでしょう。
地形の三次元イメージ : 多良火山の東斜面(玄武岩溶岩流)

「多良岳」などの山頂付近は,硬度が大きい「山陰系角閃安山岩類」でできています。
「帆柱岳」付近から「田原溜池」や「大浦港」かけて分布する,起伏量の少ないなだらかな尾根は,「玄武岩溶岩流」が固まっているところです。
地形の三次元イメージ : 多良火山の北東斜面(火山麓扇状地,放射状谷)

「多良山系」の有明海側の山麓には,「火山麓扇状地(放射状谷)」が広がっています。 南西斜面と同じ理由で形成されたものでしょう。
「玄武岩」が分布しているところを避けるようにして火山麓扇状地が発達しています。
それも,多良岳火山を挟んでほぼ対角線上に分布しています。 不思議ですね。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 「多良山系」は活動を停止してから10万年以上経過しているものと評価されています。 従って,活火山にも指定されていません。
  • 「火山麓扇状地」が発達しているため,扇状地に堆積している土砂が崩壊することで発生する二次的な土石流には十分留意する必要があります。

【引用情報】

【参考情報】

  • 参考図書:そしえて文庫98,地図の風景 九州Ⅰ 福岡・佐賀・長崎,pp.107-109.,そしえて刊,1981年6月20日
  • 波多江 信広: 大村湾を中心とする地域の地質構造発達史,鹿児島大学理学部紀要. 地学・生物学,第9巻,pp.21-40.,1976年

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