大阪府:上町台地
地形の特徴

・断層崖,活断層,撓曲

地形の三次元イメージ : 上町台地と古河内湾
‼マウスオーバー‼    地図上にマウスを乗せてください。上町台地などをわかりやすく表現した図を表示します。

「上町台地」は,百舌鳥古墳群が建設されているあたりを付け根とする,細長い半島状の台地です。 長さは約11km,幅は最大約2kmあります。
裏面の地図によると,上町台地はやや曲がった長方形をした狭義の上町台地と,低地を挟んで東に位置する「我孫子台地」に区分されます。
上町台地(狭義)は,標高が高いのですが,百舌鳥には直接繋がっていません。 標高の低い我孫子台地が,百舌鳥と繋がっているのです。
地形の三次元イメージ:上町台地(狭義)と上町断層
‼マウスオーバー‼    地図上にマウスを乗せてください。国土地理院の「都市圏活断層図(出典,下記)」を表示します。

狭義の上町台地の最高点は,大阪城付近の約23mで,南に行くほど低くなります。
上町台地の西斜面は「上町断層」による急崖ですが,東斜面は緩斜面となっています(東傾動台地)。
その東に,上町断層群の一つである,東側隆起の「活撓曲」が存在し,「我孫子丘陵」を形作っています。
地形の三次元イメージ:上町台地の西端で発生した擁壁崩壊事故

2021年6月25日,大阪市西成区で民家の土台を支えていたブロック(石)積みの擁壁が崩れ,3棟の民家が崩落した事故が発生しました。
民家は,「上町台地」の西の端にある,標高差約10mの崖に擁壁と盛土で整地した土地に建設されていたようです。
場所の詳細は明示しませんが,「阿倍野墓地」と「学校」の中間点付近です。
【記事・参考情報など】

【記事】
 ・上町台地は,基盤は「大阪層群」と呼ばれる新生代第四紀更新世(約200万年前)以後に,汽水域などで堆積した未固結の地層(礫,砂,シルト,粘土)
  で構成されており,その上部に「上町層」と呼ばれる「中位段丘層」が不整合で堆積しています。
 ・「長居陸上競技場」の乗る「低位段丘面」を「我孫子台地」と呼ぶ学説があり,本ページは説明の都合上,この説に準拠しました。

【参考情報】
 ・参考図書:そしえて文庫93,地図の風景 近畿Ⅱ 大阪・兵庫,pp.56-61.,そしえて刊,1980年9月10日
 ・趙 哲済ほか6氏:上町台地とその周辺低地における地形と古地理変遷の概要,(一財)大阪市文化財協会,
         『大阪上町台地の総合的研究 −東アジア史における都市の誕生・成長・再生の一類型−』,pp.9-22.,2014年
 ・小倉 博之ほか5氏:大阪府, 上町台地南部の台地構成層と地形面の形成時期,第四紀研究,第31巻,第3号,pp.179-185.,1992年6月
 ・国土地理院 > 都市圏活断層図
     (中田 高・岡田篤正・鈴木康弘・渡辺満久・池田安隆 (2009),1:25,000 都市圏活断層図 「大阪東北部第2版」
      田力正好・岡田篤正・杉戸信彦・中田 高 (2020),1:25,000 活断層図 「大阪西南部(改訂版)」
      中田 高・岡田篤正・鈴木康弘・渡辺満久・池田安隆 (2008),1:25,000 都市圏活断層図 「大阪東南部第2版」)

【お断り】
 ・本サイトの概要については ここをクリックしてください