滋賀県:百瀬川の扇状地と石田川との河川争奪
地形の特徴

扇状地,河成段丘(河岸段丘),天井川,河川争奪,谷頭侵食,下刻侵食

地形の三次元イメージ : 百瀬川扇状地
‼マウスオーバー‼    地図上にマウスを乗せてください。国土地理院の「都市圏活断層図(出典,下記)」を表示します。

「百瀬川」は,滋賀県西北部と福井県若狭地方に跨がる「野坂山地」から流れ出しています。
山地と平地の境界には,「西側隆起の逆断層」である「琵琶湖西岸断層」が走っています。
従って,野坂山地側が隆起する度に,河川の「河床勾配」が増し,結果的に「下刻侵食」が激しくなって,平地には巨大な「扇状地」が発達します。
地形(標高段彩図)の三次元イメージ:百瀬川[天井川]

百瀬川の強大な侵食力によって,平地には広大な「扇状地」が形成されました。
大量に運ばれてくる土砂により,「自然堤防」が高くなって「天井川」となってしまいました。
このため,県道287号は「百瀬川」の下をトンネルで抜けています。
地形の三次元イメージ:百瀬川の河川争奪
‼マウスオーバー‼    地図上にマウスを乗せてください。国土地理院の「都市圏活断層図(出典,下記)」を表示します。

「淡海湖(ダム湖)」の存在する川は「石田川」です。
「百瀬川」の上流である「川原谷」には,数箇所の「河成段丘」が存在しますが,これは現在の百瀬川が形成したものではなく,
「河川争奪」によって上流部を奪われてしまった「古石田川」が形成したものだったのです。
「下刻」とある場所の標高差は約200mあります。 河川争奪後における,「百瀬川」の侵食力を想像してみてください。
【河川争奪前後の想像図,記事】
  • 争奪前は,野坂山地があまり隆起していない頃で,「川原谷」は石田川の上流で「淡海湖」の方向に流れていました。
  • 現在の「淡海湖」の上流部(風隙)のように,谷幅が広く傾斜も緩かったろうと,想像しす。
  • 野坂山地の隆起に伴って「百瀬川」の侵食作用が強大化し,谷頭が石田川に達したことにより,上流からの川水の全てが百瀬川に流れ込むようになりました。
  • 石田川の水量を得て「百瀬川」の侵食力は更に増し,谷頭は石田川上流部(川原谷)へと向かい,深い「V字谷」を削り出しました。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】