京都府:経ヶ岬付近の海食崖と間人集落付近の地すべり地形
地形の特徴

岩石海岸,海食崖,柱状節理,板状節理,地すべり地形

地形と地質の三次元イメージ : 丹後半島北端,経ヶ岬
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「丹後半島」の北端部「経ヶ岬」付近を代表する地質は,新第三紀鮮新世の「デイサイト」で,「板状節理」や「柱状節理」がよく発達しています。
沖から眺めると,柱状節理がまるで経典のように見えることから,経ヶ岬と名付けられたそうです。
図で袖志漁港の左には,標高30m前後の「海成段丘面」が広がっており,丹後半島の「傾動隆起」の証拠とされています。
地形の三次元イメージ : 経ヶ岬

「経ヶ岬」から本庄漁港にかけての若狭湾沿いの海岸は,切り立った断崖である 「海食崖」が連続しています。
経ヶ岬の先端には,かつてデイサイトを切り出した採石場がありました。
また,「岩石海岸」の随所には,「波食棚」と思われる地形が存在しています。
この地方は隆起性の大地のため,次の「海成段丘」の予備軍とも言えます。
地形と地質の三次元イメージ : 間人(たいざ)漁港及び背後丘陵
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。防災科学技術研究所の「地すべり地形分布図(出典,下記)」を表示します。

防災科学研究所発行の「地すべり地形分布図」によると,「間人漁港」背後の丘陵は,ほぼ全て「地すべり移動体」と表記されています。
この丘陵は,新生代新第三紀中新世(約380万年前)以降に海底で堆積した「砂岩・泥岩層」で構成されており,風化に弱い性質があるのでしょう。
事実,2006年(平成18年)7月に「間人墓地公園」の一角で「地すべり」が発生し,2名の犠牲者が出ています。
【記事・引用情報と参考情報】

【記事】

  • 産総研・地質調査総合センター発行の「1/20万地質図幅『宮津(第2版)』」では,「経ヶ岬」付近の地質は「デイサイト溶岩」となっています。
  • 一方,同センター発行の「1/20万シームレス地質図」では,「安山岩・玄武岩質安山岩」となっており,両者の整合性が取れません。
  • 「宮津(第2版)」は2022年発行と新しいので,いずれシームレス地質図の方が改訂されるものと考えます。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】