岐阜県:池田山断層東縁の扇状地と天井川
地形の特徴

扇状地,天井川,池田断層,地形変遷

地形と都市圏活断層図の三次元イメージ : 池田山東麓斜面と扇状地
三次元地形図上でマウスクリックすると,国土地理院の「都市圏活断層図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。
  • 岐阜県西濃地方の東縁には,標高924mの「池田山」があり,山頂よりやや東側のところに「池田山断層」が南北に走っています。
  • 「池田山」は滋賀県の伊吹山地に続く大きな山塊の一部ですが,この断層を東側に超すと勢いがなくなり,濃尾平野へと落ちてゆきます。
  • 池田山断層は「西側隆起の逆断層」なので,西側の斜面や谷の傾斜は急になって,侵食力と運搬力は増大の一途をたどります。
  • 従って,大雨の時には大量の土砂が川へと押し出され,土石流由来の扇状地が形成されるのです。
  • 大津谷,大谷や霞間ヶ渓の出口に形成された扇状地は,扇端部が互いに接触して「複合扇状地」となっている場所もあります。
地形(古地形)の三次元イメージ : 地形の変遷
  • 1900年ごろの等高線は「綺麗な扇型」を描いています。
  • 大津谷は,かなり開いた扇型を呈しています。 堤防はまだ無く,渇水期には水が無くなる「かれ川」であることがわかります。
  • 大谷は,半分閉じた扇型でその真ん中を川が流れています。 扇頂部から扇状地の半分程度までは,1900年ごろすでに堤防が築かれていたようです。
  • 霞間ヶ渓では,堤防が築かれて河道の固定化が始まっているように見えます。
  • 現在では,ほぼ全ての河川で河道の固定化が終わっていて,かなりの区間で「天井川」となっているようです。
標高段彩図:大津谷の天井川区間
  • 1900年ごろは恐らく「自然堤防」しか無かっただろうと想像される「大津谷」ですが,現在は両岸に道路を載せた堂々たる堤防が築かれています。
  • 当然,河道は固定化され,平常時に砂が流れていかないように河床の傾斜を緩くする「床固工」が複数設置されているようです。
  • 図中の標高値は,5mDEMからの推定なので,あまり正確ではありませんが,堤防の高さは4m~6m,河床の高さは2m~3mではないか,と思われます。
標高段彩図:大谷の天井川区間
  • 大谷の場合,扇頂部から扇状地の半分程度までは,1900年頃すでに人工堤防が築かれていた可能性があります(詳しい調査は未実施)。
  • その部分では,堤防の高さは約4mなのですが,河床の高さはほぼ扇状地と同じです。 河床に砂が殆ど溜っていないのでしょうか。
  • 下流の部分も同じような傾向ですが,これらは5mDEMからの推定値です。
  • 川幅の狭い連続した凹地(川など)では,最低点の標高値は不正確になりがちです。
標高段彩図:霞間ヶ渓 の天井川区間
  • 扇端部近くの堤防の高さは4mほどありますが,河床の方が扇状地よりも若干低くなっており,堤防の嵩上げが行われなかったのでは,と想像しています。
  • 扇端部は先細りの地形を呈していますが,広い道路が右岸側にしか建設されなかったためか,左岸側の堤防は無いのか!,と思ってしまいます。
  • 霞間ヶ渓で土石流が発生した場合,左岸の公園にあたりに押し出てくる,ように思えてなりません(杞憂ならよいのですが)。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

  • 参考図書:そしえて文庫89,地図の風景 中部編Ⅱ 愛知・岐阜,pp.174-178.,そしえて刊,1981年 4月20日

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