栃木県:中禅寺湖と華厳の滝
  (日本の地質百選:華厳の滝)
地形の特徴

堰止湖,瀑布,直瀑,潜流瀑,溶岩流

案内用三次元イメージ : 中禅寺湖と華厳の滝
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。
「男体山」は,今から約2.2万年から約1.3万年前に活動した火山です(活火山)。
「中禅寺湖」は,活動の初期に火口から流れ出した「華厳溶岩流」などによって,「大谷川(だいやがわ)」が堰き止められてできた「堰止湖」です。
詳しくは下記「栃木県の地球科学 」を参照してください。
地形の三次元イメージ : 華厳の滝と華厳渓谷

「華厳の滝」の自由落下の高さは,約97mと言われています。 その始まりは,「華厳溶岩」が「大谷川」を堰き止めた直後と考えられています。
華厳溶岩がどこまで流れたかと,何時だったかがわかれば,華厳の滝の「後退速度」が推定できます。 「早川・松倉2003」によると「約2cm/年」とのことです。
5mDEMによる河床縦断図(概略)

国土地理院の標高タイルを使用して,「華厳の滝」の落差を推定する計画を立てましたが,
左図のように,流路(川)の部分の標高値に,異常があることに気が付きました(理由は不明です)。
このため,上図のように流路を避けた「河床縦断図」を作成してみました。
注 河床縦断図は,5mDEMあるいは10mDEMを利用して推定したものです。
現場検証などを行っていないため,確定的ではありません。目安とお考えください
【現場写真】華厳の滝

右の写真の「↓」で示した部分(十二滝)を,左に望遠・拡大しました(撮影場所が異なるので,角度が違っています)。
(左)「潜流瀑」の「十二滝」です。 中禅寺湖の湖水が漏水し,溶岩中の空洞を流れてきた地下水が,「華厳溶岩」の境界部から滝となって落下しています。
滝本体の落下による侵食力に加え,十二滝のような伏流水由来の滝が持つ「侵食力」が相乗して,滝の後退が発生するそうです。
記事・引用情報・参考情報

【記事】

  • 国土地理院の「標高タイル(5mDEMなど)」を使用して「直瀑」の標高値を求める際には,「誤差」が大きいことに留意する必要があります。
  • 標高値の誤差が大きいと想定されるのは,真っ逆さまに落水する「直瀑」や「段瀑」とその周辺なので,滝からある程度離れれば誤差は通常の範囲内に収まると思われます。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】