埼玉県:秩父市大滝付近の地形変遷
地形の特徴

斜面,ダム湖,人工改変,地形変遷,湛水地すべり

地形と地質の三次元イメージ : 旧大滝村の二つのダム湖
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

旧大滝村の村内には,「二瀬ダム」と「滝沢ダム」という二つのダムがあります。
両方とも,地形が見事なほどの「V字谷」を形成しているため,ダムが作りやすかったからでしょう。
しかし,滝沢ダムが作られた「荒川」の支流「中津川」には,秩父帯と四万十帯を分ける「白泰(はくたい)断層」が走っており,
この付近の地層の走行などは,この断層の影響を強く受けています。
また,破砕されやすい地質が随所に存在しているので,地すべりが多発している場所でもあります。
地形図の変遷 : ダム湖のできるまで

二瀬ダム(秩父湖): 国土交通省直轄の「重力式アーチダム」です。 1952年に工事が開始され,1961年に完成しました。
滝沢ダム(奥秩父もみじ湖): 水資源機構管理の「重力式コンクリートダム」です。 1969年に計画が発表されましたが,
住民移転と漁業権に関する交渉が長引いたため,工事の着工は1999年で,完成は2011年でした。
工事中に,地すべりが発生したことでも知られています。
滝沢ダム : 試験湛水時の地すべり

何れも最新の情報なので,地すべりの対策工事は終了した状態です。

2007年5月13日に発生した「地すべり」です。 「土砂崩れ」と報道されているケースもあるようです。
当時は試験湛水中で,左岸側の斜面が崩れました。 報道によると,長さと高さは共に約90m,深さは約15mです。
写真左,水の溜まっている部分に,地すべり防止のフリーフレームが見えます。
写真の地すべりは,その予防した場所に隣接すると共に,水面より上の部分で発生したようです。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • このページで紹介した地すべりは,「湛水地すべり」と言われるもので,ダム湖が出現したときに発生するものです。
    それまで水の溜っていなかった斜面に,水が入り込むこと,その地中の水位が降雨や季節によって変動すること,などの影響で地すべりが発生します。
    従って,河床からかなり上の斜面,ダム湖の水面の高さあたりで発生します。
  • ここで「ダム湖」と言いましたが,湖が発生することによって引き起される現象なので,斜面崩壊や土石流などによる自然(天然)のダム湖(土砂ダム湖)でも起こり得ます。

【引用情報】

【参考情報】

  • 参考図書:そしえて文庫86,地図の風景 関東Ⅱ 埼玉・栃木・群馬,pp.29-33.,そしえて刊,1980年10月10日

【お断り】