岩手県:猊鼻渓
地形の特徴

先行谷,河川狭隘部,峡谷,北上山地,隆起,石灰岩

地形と地質の三次元イメージ : 砂鉄川流域
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

「猊鼻渓」は,北上川の支流である「砂鉄川」の正に狭隘部です。
真西に流れてきた砂鉄川は,前面に立ちはだか「石灰岩」の壁に突入し,まるで岩盤を鑿で削るように流れ,
渓谷を抜けたとたんに方向を真南に変える,という荒業を繰り出しています。
長さ約2kmの渓谷には,高さ100mを越す石灰岩の断崖絶壁が連続しています。
地形の三次元イメージ : 猊鼻渓

「猊鼻渓」を構成するのは,約2億5千万年以前の石灰岩です。 平坦だった土地を「古砂鉄川」が流れていました。
その後,土地は長い年月をかけてゆっくりと隆起して「北上山地」となりましたが,
古砂鉄川は河道をほぼ変えることなく,固い石灰岩を「下刻侵食」し続けて,現在の形となったのでしょう(先行谷)。
猊鼻渓の上流と下流では,比較的柔らかい地質だったのでしょう。 「側方侵食」によって,盆地や緩やかな尾根などが形成されました。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 「猊鼻渓」が「先行谷」という公開資料は見つかりませんが,事務局では,恐らくそうだろうと考えています。

【引用情報】

【参考情報】

  • 参考図書:そしえて文庫83,地図の風景 東北Ⅰ 福島・宮城・岩手,pp.144-150.,そしえて刊,1981年11月10日

【お断り】