北海道:十勝平野の海跡湖群(長節沼,湧洞沼,生花苗沼,ホロカヤントウ)
地形の特徴

海跡湖,半陸封型海跡湖,閉塞湖,砂洲

地形の三次元イメージ : 十勝平野の海跡湖群

「十勝川」河口の西側の海岸には,4つの「半陸封型海跡湖」が存在します。
十勝川の近くから,「長節湖(ちょうぶしこ)」,「湧洞沼(ゆうとうぬま)」,「生花苗沼(おいかまないぬま)」と「ホロカヤントウ」の順に並んでいます。
資料によっては「長節」は湖ではなく沼と,「生花苗」は逆に沼ではなく湖と表記しているものもあります。
「キモントウ沼」と「キモントウ小沼」は,内陸にある小さな沼なので,成因は「河跡湖」と思われます。
地形の三次元イメージ : 長節沼

「長節沼」への流入河川は4つです。 沼の上流側には,比較的広い「湿地帯」を伴っています。
常時開口している水路は無く,沼の一番南側の砂州が増水時に開口します。
注 沼の水面の標高に,特徴のある凹凸が存在します。
これは,国土地理院から公開されている「DEM」が5mメッシュのものと10mメッシュのものが混在しているためです。
地形の三次元イメージ : 湧洞沼

「湧洞沼」への流入河川は2つです。 規模の大きな「湧洞川」の上流側には,比較的広い「湿地帯」を伴っています。
常時開口している水路は無く,沼の一番南側の砂州が増水時に開口します。
地形の三次元イメージ : 生花苗沼(おいかまないぬま)

「生花苗沼」の特徴は,「生花苗沼川」など,流入する川は3つ存在します。
最も規模の大きな川は「キモントウ沼」からの流水を合する「生花苗川」で,その流域や生花苗沼との中間付近に広大な湿地帯が存在します。
「園田ほか(2003)」では,増水時には一番南側の「砂州」が必ず開口する,とあります。
地形の三次元イメージ : ホロカヤントウと当縁湿原(とうべり湿原)

「ホロカヤントウ」への流入河川は2つです。 常時開口している水路は無く,沼の南側の砂州が増水時に開口します。
ホロカヤントウの南側に接して広大な「当縁湿原」が存在します。
この付近は隆起性地盤との報告があるため,かつては,海跡湖か潟湖(ラグーン)だったと想像します。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • ここで取り上げた4つの「海跡湖」はいずれも「半陸封型」の「閉塞湖」です。
  • 常時砂州は閉じていて「淡水湖」なのですが,台風や豪雨などの異常降雨時には砂州の一部が決壊?(越水?)するために,海水と交換して一時的に「汽水湖」になる,というものです。
  • いずれの海跡湖とも,越水する場所は湖や沼の南側です。
  • 砂州の成因である「十勝川由来の砂礫」は,北の方角から流れてくるからです。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】