北海道:恵山火山の溶岩円頂丘
地形の特徴

火山地形,溶岩円頂丘,溶岩ドーム,火口原,山体崩壊,水蒸気爆発,常時観測火山

地形と地質の三次元イメージ : 恵山火山
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  • 『3万分の1 恵山火山地質図』によると,「恵山火山」の「熔岩円頂丘(ドーム)」は,活動した順に「海向山(Ka)」,「北外輪山(Ns)」,「南外輪山(Ss)」,「椴山(Td)」,「スカイ沢山(Sk)」,「恵山山頂(Ed)」及び「御崎(MI)」という7つから構成されています。
  • 最も古い溶岩円頂丘は,約4.3万年前頃(ステージ4)の「海向山溶岩円頂丘」です。
    注 活動ステージの概略は別ページの「凡例」中に記載しました。
  • 同じく,最も新しい溶岩円頂丘は,約8,600年前頃の「恵山山頂溶岩円頂丘」と「御崎溶岩円頂丘」ですが,地形的に後者がより新しいとのことです。
  • 火山地質図に記載されている「**HD*」は「火砕堆積物」で,「**HD*DB」は「岩屑なだれ堆積物』や「ラハール堆積物(記事参照)」を示しています。
    前者はステージ1~4という全ての段階で発生しているのに対し,後者はステージ1と同2の2段階でのみ発生しています。
  • 岩屑なだれの原因は,山体崩壊ではないかと考えられます。
地形の三次元イメージ : 恵山火山と南外輪山
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  • 地形図中の「B:スカイ沢山」の南斜面には大きな馬蹄形の崩壊壁が存在します。 溶岩円頂丘が形成される途中で(山体)崩壊が発生し,大量の「岩屑なだれ(EsHD1DB)」が発生したと考えられています。
  • 南海岸の台地は「元村火砕堆積物:EsMP」に覆われていますが,この場所のEsMPはどこからやってきたものなのでしょうか。
    このEsMPは降下火砕物であって,台地の北側に存在する「Sk」や「EsHD1DB」の上にも,当然降り積もったと考えられます。
  • しかし,その場所は極めて傾斜が急であったため,降り積もったEsMPは大雨の際に殆ど流されてしまい,台地上に扇状地か沖積錐のように堆積したのでは,と想像しています。
地形の三次元イメージ : 恵山火山の東斜面
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  • 「大地獄火口(爆裂火口)」で「山体崩壊」を伴う水蒸気爆発が起きた結果,「Es-c/e」と命名された「ラハール堆積物」が形成されました。
    地質図の解説書によると,「Es-e火砕堆積物」の年代は3210~3010yBPで,「Es-c火砕堆積物」の年代は2680~2350yBPと推測されているそうです。
    「yBP」とは放射性炭素年代測定法で得られた年代であって,1950年を基準として**年前である,と定義されています。
    2025年に換算すると,前者は3285~3085年前となり,後者は2755~2425年前となります。
  • 従って,恵山山頂での火山活動は,何回も繰り返していることがわかります。
  • 火口の中には「噴気孔」や「硫黄鉱床」などもあって,火山活動が続いていることを物語っています。
  • 恵山火山は,「常時観測火山」に指定されています。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 「ラハール」とは,火山で発生した「火山泥流」や「土石流」の総称です。 何れも土砂(移動体)中に大量の「水」が含まれている状態が条件です。
  • 1926年の十勝岳噴火の際には,噴火に伴う高温の岩屑なだれが発生し,それが大量の残雪を溶かして混じり合い,泥流となって富良野原野まで達したことは記憶に新しいことです。
  • 天明3年8月の浅間火山の噴火に際しては,北麓に向かって大量の「岩屑なだれ」が流下し,吾妻川に流れ込むと川水と混合して「火山泥流:ラハール」と化し,吾妻川から利根川に流れ込んで河口の銚子まで達しました。 また,元々の河道であった江戸川にも流れ込み,当時の江戸湾にまで達しました。

【引用情報】

【参考情報】

  • 参考図書:そしえて文庫81,地図の風景 北海道編Ⅰ 道南・道央,pp.12-16.,そしえて刊,1979年11月20日
  • 国土交通省・気象庁 > 19.恵山

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