広島県:「天井川」は天井川
地形の特徴

天井川,マサ,禿山,バッドランド,土石流,堤防

地形の三次元イメージ : 「天井川(河川名)」の流域
  • 「沼田川」支流の「天井川(川名)」は,文字通りの「天井川(地形用語)」です。
  • 流域はすべて中生代後期白亜紀(約8.5千万年前ごろ)の「花崗岩」で,地表近くは風化によって,砂状の「マサ」に変化しています。
  • 徳山大学総合研究所の資料によると,1650年に開設された「竹原塩田」で使用する薪炭用の木材を切り出すために,乱伐が行われたと記載されています。
  • 当然,天井川の源流域も禿山である「バッドランド」状態となって,大雨の時にマサが「土石流」となって大量に流れ出したであろうと想像します。
  • 天井川の上流~中流域は,大量のマサが堆積した「扇状地性谷底平野」になっているようです。
地形の三次元イメージ : 天井川区間の例(A)
  • 流域図に記した「A」地点付近の拡大図(標高段彩図)です。
  • 左岸側の堤防上には2車線から3車線の道路が建設されており,地表からの高さは最大で10mもあります。
地形の三次元イメージ : 天井川区間の例(B)
  • 流域図に記した「B」地点付近の拡大図(標高段彩図)です。
  • 「A」地点とは異なって,右岸側の堤防上に道路が建設されています。 これは,右岸側に民家があるための処置ではないかと思われます(堤防も強くなる)。
  • 堤防の外側(川裏側)の地盤の高さは,左岸側が低く右岸側が高くなっています。 土地利用との関連性が考えられますね。
地形の三次元イメージ : 天井川区間の例(C)
  • 流域図に記した「C」地点付近の拡大図(標高段彩図)です。
  • 「天井川」もこの辺りにまで流れてくると「沼田川」の流域に近く,扇状地ではなく「沖積低地:氾濫原」の性格が強くなってきます。
  • 自然のままに放置すると,川は自由蛇行を行うようになるので,住居と耕作地を安定的に確保するためには,「河道を固定化」する必要になります。
  • 堤防の(再)建設と土砂の堆積,というイタチごっこが繰り返された結果,平野と呼べるこの付近でも天井川(地形名)になったのでしょう。
地形断面図 : 主な天井川区間
  • 各拡大図に示した地形断面線の断面図です。 高さはほぼ正確ですが,水平距離は若干の誤差があり得ます。 「←205m→」は各断面の全幅の距離です。
  • 地形断面線-A:地表から堤防の天端までの高さ(標高差)は約8m~約10m,地表から河床までの高さは約4m~約6mです。
  • 地形断面線-B:地表から堤防の天端までの高さ(標高差)は約6m~約7m,地表から河床までの高さは約2m~約3mです。
  • 地形断面線-C:地表から堤防の天端までの高さ(標高差)は約6m,地表から河床までの高さは約2mです。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

  • 参考図書:日本の地形レッドデータブック 第1集 新装版 -危機にある地形-,p.167,古今書院刊,2000年12月8日
  • 徳山大学総合研究所・中国地方の地形環境 > 広島64 天井川の中・下流
  • 産業技術総合研究所・地質調査総合センター > 20万分の1 シームレス地質図

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