広島県:南北で趣が異なる西条盆地
地形の特徴

台地,谷底平野,西条盆地,黒瀨盆地,白市盆地

地形と地質の三次元イメージ : 西条盆地(南・北)と白市盆地
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

東広島市の南東部に位置する「西条盆地」は,「二神山」や「鏡山」によって,北と南に区分されることもあります。
西条盆地は,新生代第四紀更新世(約60万年前頃)に存在した「古西条湖」の湖底に堆積した「西条湖成層(礫・砂・シルト・粘土)」で覆われています。
シームレス地質図の「堆積岩」に相当します。
地形(標高段彩図)の三次元イメージ : 西条盆地(南部,北部)

西条盆地(南部)は「黒瀬川水系」によって浸食されて,「河成段丘」と「開析谷(谷底平野)」が広く分布しています。
一方,西条盆地(北部)は,黒瀨川の谷頭が進出しておらず,ほぼ全てが「離水前」状態である「氾濫原」となっています。
その境界は,三永水源池の近くにある「吾妻子の滝」です。 落差わずか15mですが,西条盆地(北部)の「侵食基準面」となっているのです。
地形(標高段彩図)の三次元イメージ : 西条盆地と白市盆地を分ける谷中分水界

西条盆地(南北)は「黒瀨川」の流域,白市盆地は沼田川水系「入野川」の流域となっており,その境界は「谷中分水界」となっています。
シームレス地質図によると,第四紀の「堆積岩層」は両盆地に跨って分布しているので,「古西条湖」は両盆地に広がっていたと想像します。
地形(標高段彩図)の三次元イメージ : 白市盆地

『日本の地形レッドデータブック 第1集 p166』の記述では,白市盆地にも標高260m前後の「段丘面」が存在する,と記載されています。
一方,シームレス地質図によると,その範囲は「堆積岩層」あるいは「花崗岩」となっています。
同様に,「水野・平川(1993)」の第1図にも,白市盆地には堆積岩層(西条湖成層)の記載はありますが,段丘の記載はありません。
従って,本図にも段丘の「注記」はしませんでした。
【引用情報と参考情報】

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