京都府:木津川中流右岸の天井川群と構造物(トンネル,水路橋)
地形の特徴

・天井川,堤防,河川改修,トンネル,水路橋

地形と地質の三次元イメージ :
三次元地形図上で1回クリックすると,国土地理院の「都市圏活断層図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。
三次元地形図上で1回クリックすると,国土地理院の「都市圏活断層図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。
  • 三重県の山あいに源を発する「木津川」は,途中の伊賀盆地から峡谷となって西に流れ,やがて山城盆地に達します。
  • 山城盆地に入ると,一転して90度北に向きを変えて淀川を目指しますが,転向点から約8kmの間に,右岸側から合計6本の「天井川」が合流します。
  • この地域で天井川が集中する主な原因は,木津川の上流から運ばれてきた土砂が山城盆地で堆積し,本流の水位が次第に高くなるためなのです(詳細後述)。
  • 特徴的なのは,これらの天井川を鉄道(JR奈良線)と国道などが渡る場合,トンネル構造と共に「水路橋」が採用されていることです。
地形(標高段彩図)の三次元イメージ : 長谷川,青谷川
  • 「長谷川」と「青谷川」は,江戸時代初め頃に人為的に河道を高く固定された,れっきとした「人工河川」です。
  • 城陽市の「宇治丘陵」は,「礫質土」主体の「大阪層群」です。
    未固結土のため,豪雨時の侵食に弱く,土砂崩壊と土石流がしばしば発生したことが推測されます。
  • 天井川は,支流の排水だけではなく,氾濫防止の目的もあったのです。
    しかし,排水能力を超えた洪水や土石流が押し出してきたときは,相当な被害があったと思われます。
地形(標高段彩図)の三次元イメージ : 玉川,渋川
  • 「木津川」が出水する度に,土砂が堆積して河床が高くなるため,それに合わせて「玉川」と「渋川」の河床を人為的に嵩上げしたもの,と思われます。
  • 両支川とも,谷を出たところからほぼ一直線で木津川まで流れるように構築されています。
  • JR奈良線は「水路橋」で二つの支川の下を潜り抜けています。 一方,渋川については,国道24号が水路橋構造になっています。
地形(標高段彩図)の三次元イメージ : 天神川,不動川
  • 「天神川」と「不動川」の上流部は,共に中生代後期白亜紀の「花崗閃緑岩」で構成されています。
  • 土石流となって押し出してくる膨大な土砂を利用して,これらの天井川を築いたと思われます。
  • 不動川の場合ほかの支川と異なって人工河道が斜めに建設されています。
    谷を出たところの標高が高く,木津川までの一直線では勾配が急すぎたのでしょう。
  • 【地上写真】 不動川トンネルのGoogle StreetView
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 本ページで紹介する天井川は,以下の状態の河川のことを指します。 なお,本流とは「木津川」を指し,支流とは「不動川」などを指します。
  • 大河川の上流で土砂崩れなどが発生し,河床に厚く堆積するようなケースが繰り返されると,本流を流れる水面の標高が相対的に高くなって,支流からの川水が本流に流れなくなります。
    「バックウォーター」現象の一種と言えます。
  • 排水状況を改善するには,本流の河床堆積物を排除するか,支流の河床を人工的にかさ上げするか,どちらかを選ばねばなりません。
  • 後者の方法によって,支流からの川水を本流に流れやすくした状態の人工河川も「天井川」と呼ばれています。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】