静岡県:接岨峡の穿入蛇行と還流丘陵群
地形の特徴

穿入蛇行,蛇行切断,穿入曲流,峡谷,還流丘陵

地形と地質の三次元イメージ : 接岨峡(せっそきょう)とその周辺部
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

連続する「穿入蛇行」地形の中に,確実性の高い「還流丘陵」が4箇所と,確実性の低い還流丘陵が2箇所存在します。
これら6箇所の還流丘陵のうち,2か所には大井川鉄道の駅が設けられ,別の2箇所には集落があり,1か所には温泉があります。
なお,「還流丘陵A」~「還流丘陵F」の記号は,説明のために便宜的に命名したものです。
地形(標高段彩図)の三次元イメージと旧流向: 接岨峡上流部

「還流丘陵E」と「同F」は,還流部と現河床との標高差が100m前後あります。 これらは,「接岨峡」付近で最初にできた「穿入蛇行」と考えられます。
「還流丘陵D」と「同F」は,背後に比較的大きな「枝谷」が存在します。 離水後に生じた枝谷の「下刻侵食」によって,還流部(段丘面)には深い谷ができました。
地形(標高段彩図)の三次元イメージと旧流向: 接岨峡下流部

「還流丘陵B」は,還流部と現河床との標高差が100m強もあります。 前出の「還流丘陵E」と「同F」と同時期にできた可能性があります。
また「還流丘陵A」の場合,標高差は46mです。 接岨峡付近の還流丘陵の中では,最も新しいものと言えますが,丘陵自体の低さが気にはなります。
「還流丘陵C」の元流入口と元流出口には,現在「V字谷」が存在しています。 その形成理由は,前出の「還流丘陵D」や「同F」と同じでしょう。
【記事・参考情報など】

【記事】

  • 流路は,還流と判断した地形(連続する凹地形)を基にして想像したもので,現地検証を行っていません。従って「仮説段階」とお考え下さい。
  • 『日本のレッドデータブック第1集』では「接峡」となっていますが,国土地理院や静岡県の表記法に従い「接峡」としました。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】