長野県:木曽駒ヶ岳と宝剣岳の氷河地形(千畳敷カールなど)
地形の特徴

中央アルプス,圏谷(カール),モレーン,氷食谷,氷食湖,日本百名山

地形と地質の三次元イメージ : 中央アルプスの核心部
三次元地形図上でマウスクリックすると「20万分の1 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

20万分の1 シームレス地質図 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 「中央アルプス」を構成する地質は,「中央構造線」の西側近傍に分布する「領家帯」の「花崗閃緑岩・トーナル岩」です。
    中生代・後期白亜紀(約8千万年前)に,大陸の縁辺部で地下のマグマが上昇しましたが,地中深くで滞留・冷却・固化してできた深成岩です。
  • 「柳町,1983」は,宝剣岳(2,931m),中岳(2,925m)と木曽駒ヶ岳(2,956m)を取り巻くすべての川の源頭には,約2万年前の最終氷期以後に形成された「カール(圏谷)」地形が数多く存在することを指摘しています。
  • 例えば,中御所谷の源頭部には「千畳敷カール」など2箇所,黒川の源頭部には「駒飼ノ池カール」や「濃ヶ池カール」など2箇所,正沢川の源頭部には「細尾沢カール」など4か所,滑川の源頭部には大小の「無名カール」が10箇所,そして伊奈川の源頭には「三沢カール」など4箇所,と言う具合です。
    ただし,これらの地形をカールと判読した理由は,空中写真その他の間接的手法の結果なので,全てが指摘通りのカールなのかは議論の余地があります。
地形と地質の三次元イメージ : 千畳敷カールと中御所氷食谷
  • ロープウエイの終点「千畳敷駅」は「モレーン(氷河堆積物:氷堆石)の上に建設されています。
  • 下図(左)は,中御所谷の上流と下流の地形断面の概略位置で,同(右)はその結果である地形断面図(相対表示)です。
  • 上流部は両岸とも,氷河が移動する際に削り出した氷食谷(U字谷)ではないかと想像します。
    「柳町,1983」は,「中御所谷Ⅰ期」に千畳敷カールで発達した氷河は,中御所谷を削りながらシラビ平付近まで流下した,との仮説を述べています。
    この説通りとすると,この時期に形成された氷食谷地形を現在も観察できていることになります。
  • 下流部の左岸は,川水(雨水,氷河融解水)の侵食によって形成された「V字谷」と思われます。
    「柳町,1983」に従うと,氷河はここにも存在していたので氷食谷が形成されていたはずです。
    すなわち,氷期が終わって氷河が後退した後に,川水(同)によって侵食されたのでしょう。
  • 下流部の右岸に存在する「凸地形」は,モレーンなどから川水(同)が運んできた岩屑の堆積物である「ティル(氷成堆積物の一種)」でしょうか(場所も滑走斜面側です)。
地形の三次元イメージ : 黒川氷食谷とふたつのカール
  • 「黒川」の源頭部はいわゆる「U字谷」であることから,「氷食谷」であると言われています。
  • 黒川氷食谷には,規模が小さいながらも三ヶ所の「カール(圏谷)」が付属しいます。
  • 中でも,「駒飼ノ池カール」と「濃ヶ池カール」には,それぞれ規模は小さいながらも「氷食湖」が存在しています。
地形の三次元イメージ : 正沢川源頭部のカール(圏谷)地形
  • 正沢川の源頭部は,大きな3つの枝谷から構成されています。
    「柳町,1983」は,「細尾沢」に1箇所と「玉ノ尾沢」には3箇所のカール(圏谷)が存在する,と報告しています。
  • 正沢川の源頭部は,季節風の「風向斜面」となるため,カールの存在は比較的珍しいと言えます(日本列島では,冬季の風背斜面にカール(圏谷)が成長しやすい,と言われています。
木曽駒ヶ岳

深田久弥の登山ルートは不明なので,現在利用されている一般ルートを表示しています。
  • 深田久弥が木曽駒ヶ岳に登頂したルートは「伊那市」としかわかっていないようです。
    このため,本ページでは,距離は遠いのですが伊那市の登山口である「桂小場」からのルートをトレースしてみました。
  • 地形図上の標高差は1,738mです。 しかし,途中のピークのアップダウンのために,約1,920m登る必要があります。
  • 歩行距離も約10.3kmとかなり長いため,健脚者でも登頂まで約8時間は必要と思われ,途中の小屋泊まりがベストでしょう。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】