青森県:北八甲田火山群の火山地形
地形の特徴

火山地形,山体崩壊,泥炭地,現成周氷河現象,日本百名山

地形と地質の三次元イメージ : 八甲田カルデラと北八甲田火山群
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  • 「八甲田火山群」は「南八甲田火山群」と「北八甲田火山群」の総称です。 更に,
    ① 南八甲田火山群は,「八甲田カルデラ」の形成以前の火山群の総称です。地質年代的には第四期・更新世・カラブリアン期に活動した火山群です。
    ② 八甲田カルデラが形成された約40万年前以降,カルデラ内での火山活動である「中央火口丘群」のことを「北八甲田火山群」と呼びます。
    ※ 八甲田カルデラについては,以下で若干の解説を試みます。
  • 北八甲田火山群の大半は「成層火山」です。
  • 特筆すべきは,「赤倉岳」の北東斜面で発生した「山体崩壊」です。 相当量の「岩屑なだれ」をカルデラ内の「田代平」に流下させました。
地形の三次元イメージ : 北八甲田火山群の核心部(西斜面)
  • 「硫黄岳」,「小岳」,「高田大岳」と「離岳」には火口がありません。
    円錐形の形をした「成層火山」なので,山頂での「水蒸気爆発」が無かったことになりますね。
  • 一方,同じ成層火山でも「大岳」,「井戸岳」や「硫黄岳」には頂上火口が存在します。
    こちらは「タフコーン」のように,水蒸気爆発があった火山となります。
  • 「田茂萢岳」は成層火山なのですが,山頂に二つの「溶岩円頂丘(ドーム)」が存在するので,他の成層火山とは形が異なっています。
地形の三次元イメージ : 北八甲田火山群の核心部(東斜面)
  • 「八甲田山」の主峰「大岳(1584m)」の山頂には,直径200m弱深さ約60mの山頂火口が存在します。
    そして,山頂の南西には火口湖を持つ小さな側火口が存在します。 また,北東側斜面には馬蹄形の崩壊地形がありますが,火口かもしれません。
  • 「井戸岳(1537m)」には,直径約25m深さ約85mの山頂火口が存在し,その南西斜面には火口湖らしき沼をもつ側火口が存在します。
  • 「北八甲田火山群」の中で最も特徴的な山体を呈しているのが「赤倉岳(1548m)」です。
    それは,山頂の北東方向に開いた「馬蹄形カルデラ」があるからです。➡ 以下に,追加記事があります。
地形の三次元イメージ : 八甲田カルデラ
  • 諸説をまとめると「八甲田カルデラ」を生んだ大規模火砕流の噴出は,以下のようになります
    ① 第Ⅰ期:南八甲田火山群の噴火活動として,約100万年前~約76万年前までに3回 の噴火が推定されています。
    ② 第Ⅱ期:南八甲田火山群の最後の噴火活動である約40万年前の1回。 この直後に,八甲田カルデラが形成されました。
  • 「田代平(田代牧場など)」は,この八甲田カルデラの「火口原」です。
  • 「堆積岩:非海成層(Q22_sn):湖成層堆積物」が存在することから,八甲田カルデラ内には「火口原湖」が存在しました。
    しかし,後に「駒込川」の源頭が侵入したことで,湖水は全て抜けてしまいました。
    田代牧場の下流側(上図では右側)に湿地帯が存在しますが,火口原湖の残り香でしょう,恐らく。
地形と地質の三次元イメージ : 赤倉岳の山体崩壊と岩屑なだれ堆積物
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  • 「北八甲田火山群」の中で,最も新しい火山の一つである「赤倉岳」の北斜面には大きな「馬蹄形カルデラ」が存在します。
  • 「工藤ほか(2004)」によると,2回の「山体崩壊」が発生し,前期の崩壊幅が約1.6kmと規模が大きく,後期でのそれは約0.5kmとのことです。
  • いずれの山体崩壊でも「岩屑なだれ」が発生しました。前期の「岩屑なだれ堆積物」は,湖成層堆積物(Q22_sn)に埋もれたため不明瞭ですが,
    後期のそれ(Q2_v_ad)は,田代牧場などに残っているそうです。 末端部付近に散在する,高さの低い丘は「流れ山」なのでしょう。
八甲田山(大岳)
  • 深田久弥は,酸ヶ湯温泉から上りはじめ,仙人岱を経由して八甲田山(大岳)の登頂した後,井戸岳との鞍部と毛無岱を通過して酸ヶ湯温泉に戻りました。
  • 本図は,そのルートをトレースした結果です。 高度差約690m,全行程約8.7kmと推定されます。
【空中写真】

札幌空港から東京・羽田空港へ向かう飛行機の右窓です。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

  • 参考図書:日本の地形レッドデータブック 第1集 新装版 -危機にある地形-,p.22,古今書院刊,2000年12月8日
  • 工藤 崇・宝田 晋治・佐々木 実:東北日本,北八甲田火山群の地質と火山発達史,地質学雑誌,第110巻,第5号,pp.271-289.,2004年5月
  • 東北地質調査業協会 > 東北六県の地質 > 青森県の地質

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