[デモサイト]地盤の三次元モデル
このサイトで紹介する三次元モデルの種類
モ デ ル 名 称 定   義
一次元地盤モデル  ボーリングモデル 簡略柱状図に三次元座標を付与したモデルで,通常は,中身の詰まった円柱として表現します。
円筒モデル(独自定義) 空洞の壁面を見ているように,円筒の壁面にテキスチャを貼り付け,視点を内部に設定したモデルです。
准三次元地盤モデル  テクスチャモデル(准三次元平面図) 地形のワイヤーフレームモデルに,空中写真や地質図などのテクスチャを貼り付けたモデルです。
准三次元断面図 従来からの地質断面図や速度層断面図などに,三次元座標を付与したモデルです。
三次元地盤モデル  境界面モデル 地層境界面等のワイヤーフレームモデルに,地層区分等の属性を持つテクスチャを貼り付けたモデルです。
パネルダイアグラム 境界面モデルから,任意に設定した断面線で切り出した断面図(群)です。
ソリッドモデル 疑似ソリッドモデル(独自定義) テクスチャモデルとパネルダイヤグラムを組み合わせたモデルです。
柱状体モデル 平面的にはセル(グリッド:正方形),深さ方向には地層や速度層の境界としたモデルです。
モデルのイメージ 説  明

ボーリングモデル

 ・簡略柱状図に三次元座標を付与したモデルで,通常は,中身の詰まった円柱として表現します。
 ・真円の描画が難しい場合は,16角柱や32角柱として表現されることがあります。
 ・円柱に貼り付ける「絵柄」は,簡略柱状図よりも更に簡略化して,色の違いだけとするとよいでしょう。
  投影表現により遠方の円柱は小さく表現されるため,ハッチングなどがあっても表現できないからです。
 ・一種のソリッドモデルである共言えます。

円筒モデル

 ・ボーリングモデルは円柱の外側にテクスチャを貼り付けますが,円筒は筒の内側に貼り付けます。
 ・視点も円筒の内部に限定するために,敢えて「中身のない円筒」という用語を選択しました。
  (注 円柱も円筒も同じ意味である,という辞書もありますが,・・・・。)
 ・従って,このモデルは空洞内部を円筒で表現している,ということになります。
 ・完全なVRモデルにするためには,球面投影が必要となりますが,それは,次回への課題とします。

  写真提供:川崎地質(株)

テクスチャモデル(准三次元平面図)

 ・地形のワイヤーフレームモデルに,空中写真や地質図などのテクスチャを貼り付けたモデルです。
 ・広域の場合は,国土地理院から公開されている5mあるいは10mメッシュの標高データを使用します。
 ・挟域の場合は,地上設置型レーザプロファイラやドローンなどで測量した標高データを使用します。
 ・貼り付ける平面図は,「土砂災害警戒区域図」の他に,地質平面図や地形解析結果図等も使用できます。

  土砂災害警戒区域図引用先: 国土数値情報ダウンロードサービス(神奈川県)
  標高データ入手ウエブサイト: CIMに対応するための地盤情報共有基盤開発

准三次元断面図

 ・以前から作られている地質断面図や速度層断面図などに,三次元座標を付与したモデルです。
 ・断面線が直線の場合,始点と終点の緯度・経度,標高と深度が得られればモデルは完成します。
 ・地上となる断面図の部分は,予め透明化処理をする必要があります。
 ・左図には断面図が交差している部分がありますが,よく見ると地層境界面に段差があります。
  このように表現することにより,地質図に内在するエラーを発見することができます。

 準三次元断面図引用先:「CIM対応三次元地盤モデル構築」デモサイト

境界面モデル

 ・地層境界面等のワイヤーフレームモデルに,地層区分等の属性を持つテクスチャを貼り付けたモデルです。
 ・左図は,Kr層,Km層,Si層とYj層の各上端部の境界面をモデル化した結果です。
 ・Km層はKr層より上部に堆積していること,Si層はKm層より上部に堆積していること,といった
  「地質の論理モデル」を予め策定しておく必要があります。
 ⇒境界面モデルの作成方法については ここをクリックして下さい。[工事中
 ・境界面モデルは,全ての地質や地盤の三次元モデルの基本となるもの-出発点-ですが,左図のように複数の
  平面図を斜め上から俯瞰することになるため,地層などの深さ方向の分布を理解しづらい,という欠点が
  あります。

パネルダイアグラム

・本サイトでは,境界面モデルから任意に設定した断面線で切り出した断面図(群),と定義づけます。
 ・厳密に作成されたソリッドモデルやボクセルモデルからも作成できますが,本ウェブサイトでは扱いません。
 ・パネルダイアグラムそのものの形状は,「准三次元断面図」と全く同じです。なお,描画アプリでは同じに
  扱えます。
 ・パネルダイアグラムは,境界面モデルからアプリによって切り出された結果であり,地質断面図などは地質
  技術者が作成した成果であることが大きく異なります。
 ⇒切り出す際の座標値に間違いが無い限り,複数の交差部分が存在しても,交点の形状は一致します。
 ・左図は,ボーリング地点を結ぶために複雑な設定になっていますが,通常は複数のパネルを平行あるいは
  直交するように配置します。

ソリッドモデル:疑似ソリッドモデル

 ・「疑似ソリッドモデル」は,本ウェブサイトのために定義づけた限定用語です。
 ・テクスチャモデルとパネルダイヤグラムを組み合わせたモデルのことを言います。
 ・左のモデルは,一見ソリッドモデルのように見えますが,以下のように5つの画像で構成されています。
  テクスチャモデル:標高データによるワイヤーフレームに表層地質図を貼り付けたモデル=1枚の画像データ
  パネルダイアグラム:設定した地域を囲む4つの断面図を組み合わせたモデル=4枚の画像データ
 ・断面線を設定するだけで,上記5枚の画像データとそれぞれの三次元座標値がリアルタイムに得られる,
  といったアプリケーションがあれば便利です(市販品にはあります)。

ソリッドモデル:柱状体モデル

 ・平面的にはセル(グリッド:正方形),深さ方向には地層や速度層の境界としたモデルです。
 ・地震時に地盤の揺れやすさ(震度)や液状化危険度の広域予測を行う場合,対象地盤を数多くのセル
  (グリッド)に区画してモデル化しますが,そのモデルのことを指します。
 ・ここでは,境界面モデルから柱状体の形状を誘導することができる,という意味で掲載しています。
 ・このモデルは,CGを使用して三次元的に可視化するのではなく,地震動予測シミュレーションのための
  入力データ群として利用されます。