孔口の高さ(標高)に疑問のある事例
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CaseD_01

 出典:「国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-」    柱状図に記載された孔口標高が現況と合っていない。

【問題点】
・図(A)に示すように,メタデータとして表示されている孔口標高は「14m」であった(柱状図も同一値であった)。
・しかるに,地理院地図に表示されている標高は、50m程度離れた場所で「2m」が表示されており,両者は整合が取れていないことが判明した。

【試行・検討】
・国土地理院の標高タイルを使用する「標高を推定するウェブサイト」を利用して掘削地点の標高を調査すると,図(B)に示すように「2.9m」であった。
・ボーリングデータに記載されている孔口標高は,間違っている可能性が高い,と評価された。

CaseD_02

 出典:徳島県地盤情報検索サイト-Awajiban  孔口標高の基準がT.P.ではない。

【問題点】
・一つのマーカーに2本のボーリングが関連付けられている。 近傍箇所で2本以上の孔口が存在する場合に,このような事象が散見される。
・メタデータ(情報窓)には標高値は表示されていないが,柱状図本体には記載されている。
 No.1の孔口標高は「DL 34.57m」と記載され,No.2の孔口標高は「DL 34.83m」と記載されている。 しかし,いずれも地理院地図の標高とは不整合である。

【試行・検討】
・国土地理院の標高タイルを使用する「標高を推定するウェブサイト」を利用して掘削地点の標高を調査すると,「59.2m」という結果が出た。
・徳島県の仕様書を参照して「DL: Datum Line」の値を調べると「DL= T.P. - 0.978m」であり,標高タイルによる標高値とは整合性はなかった。
・次に,東京都千代田区に存在する日本水準原点の値「DL: Datum Level」の値を調べると「DL = T.P.+24.414m,調査当時の値」となって,標高タイルによる標高値とよい整合が見られた。

【提言】
・「DL」には二つの種類があって紛らわしいので,「T.P.」に統一してほしい。

CaseD_03

 出典:かごしま地盤情報閲覧システム  孔口の標高が明らかに現況と合っていない。

【問題点】
・情報窓には標高値は表示されていないが,柱状図には「9.27m」と記載されている。
 しかし,当該棟は台地上に建っていることから,この高さが本当に標高(T.P.)であるかどうかを調査する必要性が生じた。

【試行・検討】
・国土地理院の標高タイルを使用する「標高を推定するウェブサイト」で標高の値を調査すると「175.5m」という結果が出た。
 従って,柱状図に記載されている孔口標高の値は「標高」ではなく,恐らく「K.B.M.」からの比高であると推測した。

【提言】
・ボーリングデータにはローカル座標値を入力する欄があるので,是非活用してほしい。