平成28年熊本地震:阿蘇大橋付近の土砂崩れ
地震前後の三次元地形・空中写真イメージ

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震災後の空中写真:国土地理院「平成28年熊本地震 西原地区 正射画像(2016年4月16日)
震災前の空中写真:国土地理院「国土画像情報 第四期(1988年~1990年撮影)」       
いずれの空中写真もKashmir3D で三次元可視化処理を実施。 視点位置と対象範囲は同じとし,標高・水平比は1.5:1です。
地震で崩壊した斜面の形状

標高700m付近の傾斜は40度を超えており,次の200m区間の平均傾斜は約30度です。
記事・参考情報

★発生した事象について
  ・阿蘇大橋を崩落させた,とされる土砂崩れは,標高700m強の遷急点付近を源頭部として発生しました。
  水平距離約700m,比高約400mの斜面を高速度で流下して「黒川」にまで達しました。
  斜面の最大傾斜は,河岸段丘部の急傾斜部を除いて約42度であり,斜面全体の平均傾斜は,約26度となっています。
  ・崩壊地の源頭は,尾根近くの遷急線付近,ということです。
  これにより,比較的軟らかい地層の表土部分が地震による揺れで崩壊した可能性があります。
  ・遷急線直下の急崖部の下は谷地形のため,土砂が流下する過程でこの谷部に集まってきたように思います。

★地質リスクについて
 「傾斜の急な斜面の下」で「谷の出口」となっている場所は,極めて地質リスクの高い場所と言えるのではないでしょうか。

【参考情報】(独法:当時)土木研究所資料 第4204号 既存地すべり地形における地震時地すべり発生危険度評価手法に関する研究