地元では信介岩(のぶすけいわ)だそうな 類型:人間
  両子岩(ふたごいわ) 長崎県南島原市
1.謂われ、特徴、エピソード等
 かつてここには、同じような岩塔が2つあり「両子岩」と呼ばれてきました。 しかし、松の木が生えて大きかったほうの岩塔はは大正11年の大地震*や海食などによって崩壊してしまい、今はこの奇岩だけが残されています。
 残されたこの岩塔は、角度によっては元首相の岸信介**さんによく似ているということで、地元の人は「信介岩」と呼んでいるそうです。
 写真にも写っているように、首から肩にかけての部分がモルタルによって固められています(根固め工)。 上記のような自然の営力によって崩壊することを防止するための工事です。 このような処置は、伊勢の夫婦岩などでも行われており、特に珍しいものではありません。
*島原地震: 1922年12月8日。想定震源地;長崎県橘湾。 想定規模;M6.9
**岸信介氏: 第56・57代内閣総理大臣。 生年:明治29(1896)年。 没年:昭和62(1987)年。 出生地:現山口市。 実弟:佐藤栄作内閣総理大臣。 孫:安倍晋三内閣総理大臣。
2.地形・地質の概要
 島原半島の南西部の彦山(380m)を中心とする一帯には、前期更新世(約170万年前~70万年前)に噴火した火山岩石である「国崎安山岩(安山岩質溶岩)」が広く分布しています。 現代と同じく、台風などの豪雨によって、これらの岩石の一部は土石流となって谷筋を埋めると共に、海岸周辺に厚く堆積しました。現在の、南串山層と呼ばれている地層です。
 両子岩は、この南串山層が主に波の力による差別浸食を受けて生じた奇岩です。
 土石流である南串山層を構成する安山岩類は、 直径1cmくらいある巨大な普通輝石の斑晶を含む溶岩の塊となっています。
 島原半島ジオパークのホームページの説明は こちら をどうぞ。
3.周辺のジオサイトや観光地
島原半島ジオパーク(旧 雲仙ジオパーク)
 この奇岩は、島原半島ジオパークのジオサイト5つのテーマ「島原半島のなりたち」に分類されています。
 以前は、雲仙普賢岳を中心とするジオパークでしたが、現在は島原半島全体がエリアとなり、世界ジオパークにも認定されています。
☆ジオサイト
 『日本の奇岩百景』登録奇岩「空仙鬼と難林王
☆観光地
 ★原城跡(南島原市南有馬町): 天草四郎時貞を盟主とする「島原の乱」で、1637年12月から約3ヶ月、領民約3万7千人(諸説ある)が籠城したことで知られています。
 ★九州オルレ「南島原コース」: 南島原市の最南端の早崎半島や口之津港をめぐる距離約10.5kmのトレッキングコースです。
 ★小浜温泉: 小浜温泉には、温泉として利用されていない温泉熱を利用した「バイナリー発電所」があります。
4.交通
☆公共交通
 
鉄道:JR九州 長崎本線諫早駅で、島鉄バス「大屋~口之津~小浜・小浜高~諫早線」に乗車し、約1時間半弱の「津波見」で下車してください。 奇岩周辺には休憩所などはありません。 バスは1時間に1本程度運行されています。
☆自動車
 長崎自動車道を「諫早IC」で降り、国道34号経由57号で小浜市街まで進みます。 国道251号で南に向かい、南島原市域に入ったすぐにあるロックシェッドの間から奇岩が望めます。

両子岩の近景

国道脇からの両子岩。 
右の小さな社は二岩(ふたいわ)神社のご神体。
5. 奇岩の地図
地図と写真の操作方法はこちら  奇岩の位置についてはこちら
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