帆をあげて走り出しそうな 類型:乗物
  帆掛島(ほかけじま) 秋田県男鹿市
1.謂われ,特徴,エピソード等

 帆掛島は秋田県の男鹿半島最大級の一枚岩です。 名称は、帆掛船(ほかけぶね)が風を受け、帆をあげている姿に見えることから名付けられたとされています。 高さ約30m、幅60m以上あり、晴天時は30km以上離れた秋田市臨海部からも望むことができます。

 江戸前期の狩野派の画家、狩野定信(かのうさだのぶ)の『男鹿図屏風』にも描かれており“帆かけ島”と記載されています。

 ひところ昔の若者たちは、度胸試しとして帆掛島の上から海へ飛びこんだとか。人生の先輩の自慢話は半分に聞いたとしても、なかなか真似はできそうもありません。

2.地形・地質の概要

 およそ3,000万年前の火山噴火による火山凝灰岩でできています。
 以下は 男鹿半島・大潟ジオパーク のホームページからの引用です。

 「潮瀬崎一帯は、平らな地形になっており、そこに大小様々な岩が立ち並んでいます。 ゴジラ岩もその一つです。 これらをつくっているのは、主に火山礫凝灰岩で、火山の噴出物です。 火山礫凝灰岩層の下には、白っぽい泥岩の地層があります。 地層の境界は、普通、平らなのですが、ここでは境界が曲がっていたり、下の泥岩が上の層に食い込んだりしている様子を見ることができます。 マグマがほぼ水平に入り込んで冷え固まったもの(岩床も見ることができます。 岩床の上の方には、数本の岩脈も伸びています。」

3.周辺のジオサイトや観光地
男鹿半島・大潟ジオパーク
 この奇岩は,男鹿半島・大潟ジオパークの「潮瀬崎ジオサイト」を構成するジオポイントの一つです。
 このジオサイトには奇岩が多いことで知られ,「帆掛島」の他にも「ゴジラ岩」,「ゴジラの尻尾岩」,「ガメラ岩」と「双子岩」の4奇岩を加えた合計5奇岩が,「日本の奇岩百景+」に登録されています。
☆観光地
 赤神神社五社堂 : ナマハゲ伝説の残る重要文化財 ,なまはげ立像:高さ9.99m,
 鵜ノ崎海岸 : 日本の渚百選,奇岩「小豆岩」など
 館山崎 : 奇岩「グリーンタフ」,「ろうそく岩」と「椿の白岩

帆掛島の近景

鵜ノ崎から見たシルエットの帆掛島
4.奇岩近傍の三次元地形イメージ

「男鹿半島」南東端には,「008:帆掛島」など,9個?の奇岩が集中しています。
その中で最も数が多い奇岩は,「火山礫凝灰岩(流紋岩質)」が日本海の荒波によって削られた「波食棚」の上に存在しています。
すなわち,その奇岩の部分だけが硬くて削り残されたという,自然の彫像?なのです。
5.交通(公開時の情報)
  • 鉄 道:JR男鹿線の「男鹿駅」下車。男鹿市[マイタウンバス]の「男鹿南線」に乗車し,「帆掛島」で下車。乗車時間は約25分です。バス停からは徒歩約5分です。
  • 自動車: 男鹿総合観光案内所から,県道59号を門前方向へ約40分の所にあります。
6.記事,引用情報,お断りなど
 

【記事】
 ・GUPI職員による「男鹿半島・大潟ジオパーク巡検記」はこちらにあります。

【引用情報】
 ・国土地理院 > 地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)  国土地理院利用規約

【お断り】
 ・奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。地形図については,地図検索のページをご覧ください。

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