霊場恐山へ悪霊の進入を阻む 類型:神仏
  鬼石(おにいし) 青森県むつ市
奇岩の写真

鬼石の直下からの近景

恐山太鼓橋周辺県道からの遠景
いわれ,特徴,エピソード等

 鬼石は,下北半島を代表する観光地,霊場「恐山」の入口,湯坂を下りた右手にある岩です。

 霊場「恐山」に向かうには県道4号を北上するとよいのですが,この県道が作られる前は,当然,徒歩での参拝でした。
 かつての参拝道はこの巨岩の前を通って恐山に至っていたといいます。

 恐山にはさまざまな霊が集まってくると言われていますが,罪深いものが来ると,橋(太鼓橋,恐山入口に架かっている)は糸のように細く見え,また,鬼石は本当の鬼が睨んでいるように見えるため,引き返していくという謂われがあります。

 かつては鬼石の麓に石仏が祀られていましたが,現在は,県道沿いの食堂脇に移されています。

地形・地質の概要

 20万分の一日本シームレス地質図(産総研地質調査総合センター)によれば,鬼石は70~15万年前の軽石,火山灰を含む火砕流分布地域に存在します。 

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 下北半島のほぼ中央に鎮座している「恐山火山」は,今から約100万年前に「釜臥山」を中心とする火山が活動を始め, 引き続き,「朝比奈山」,「円山」や「大尽山」などが次々と形成されました。
 約50万年前頃からは,「宇曽利カルデラ」を中心とする火山活動に移行しました。
  カルデラ形成後の「後カルデラ活動」として,「剣山」を中心とするカルデラ内噴火が起きました。
周辺のジオサイトや観光地

下北ジオパーク
 この奇岩は,登録を目指している下北半島ジオパーク(予定)のジオサイトを構成する「恐山エリア」の中に立地しています。。

☆観光地
 徒歩約10分の場所に,日本三大霊場「恐山」があります。

交通概況

☆鉄道
 JR大湊線「下北駅」下車。
 下北交通バス「恐山」行に乗車し,終点で下車。乗車時間は約40分です。
 恐山山門前から徒歩約10分です。

☆自動車
 青森県野辺地町で国道279号(はまなすライン)に入り,むつ市苫生町まで進みます。
 県道4号に入り,むつ市街地を抜け,恐山に向かいます。峠を越え宇曽利山湖の手前右側に鬼石があります。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。