栃木県:大谷石
地形と地質の三次元イメージ : 宇都宮市大谷地区
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

栃木県宇都宮市の大谷地区を中心として分布する「大谷層」は,通称「大谷石」と呼ばれ,新第三紀中新世の流紋岩火山礫(軽石)凝灰岩です。
 比較的空隙が多いために加工しやすく,耐火性もあるために,主に建設用資材として多量に採取されてきました。
【現場写真】 大谷石採取場跡地の内部

「大谷石」を切り出した跡地でしたが,2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の揺れで,天盤(天井)が崩落しました。
採取場の天盤と地表との間隔(天井の厚さ)は,結構薄いことがわかります。

(左) ライトアップされている「大谷資料館」の内部です。 正面右上の明るい部分は,天井と壁の隙間であって,採取場の外が見えています。
(右)円盤型ダイヤモンドカッター(電動のこぎり)を使用して,大谷石を切り出した跡です。

坑内式の採取場跡地の一つで,雨水や地下水が溜まっています。 天井を支える柱のことを「残柱(ざんちゅう)」と言います。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】
 ・大谷層は,緩く東側に傾斜しているために,地質図に「宝木段丘堆積物」と記載した付近の地下にも広く分布しています。
 ・地表に分布している「大谷石」を採取し尽くすと,地表から「竪坑(立坑)」を掘削して,地中深くに分布する大谷石を採取するようになりました。
 ・地形図(標高段彩図)に「1991年4月陥没」と記載した場所の地下には,大谷石の大規模採取場がかつて稼働していました。

【引用情報】
 ・国土地理院 > 地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)  国土地理院利用規約
 ・産業技術総合研究所・地質調査総合センター > 5万分の1地質図幅「宇都宮」(アクセス後,当該地質図を表示してください。)
   三次元地質図の作成に使用した地質図は,上記センターから公開されている「地質図ラスタタイル」を利用しました。

【参考情報】
 ・大谷資料館
 ・地形・地質情報ポータルサイト) > 自然災害の記憶 1991年4月 宇都宮市・瓦作地区 大谷石採取場跡地陥没